• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

二重エアカーテンによる店舗などの空調負荷低減

研究課題

研究課題/領域番号 20K04816
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分23020:建築環境および建築設備関連
研究機関東京都市大学

研究代表者

近藤 靖史  東京都市大学, 建築都市デザイン学部, 教授 (20267339)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードエアカーテン / シーリング効率 / 実験 / CFD解析 / 擾乱気流 / 空調擾乱 / 人体擾乱 / 省エネルギー / 空調負荷
研究開始時の研究の概要

店舗やオフィスビルの空調負荷を削減する手法として、出入り口でのエアカーテンの設置が挙げられる。
エアカーテンを扉上部に設置した場合、エアカーテンからの2次元噴流が床面に到達し、その衝突噴流が床面で室内側と屋外側に分離する現象に着目する。エアカーテンを屋外側に設置した場合には床面に衝突した外気の一部は室内に侵入する。エアカーテンを室内側に設置した場合には室内空気が屋外に漏出する。一方、屋外と室内の両側に設置し、同じ風量に設定すれば外気の侵入と室内空気の漏出を少なくできる。本研究ではこれを二重エアカーテンと呼び、この効果を定量的に評価し、従来のエアカーテンに対する優位性を検討する。

研究実績の概要

本研究では店舗や倉庫などの出入口からの外気侵入に伴う空調負荷をエアカーテンにより低減する方法を検討している。エアカーテンを屋外側に設置した場合、エアカーテンから吹き出された外気の一部は室内に侵入する。また、エアカーテンを室内側に設置した場合、室内空気の一部は屋外に漏出する。一方、エアカーテンを室内側と屋外側に設置しそれぞれの吹出し風速と風量を同じ値とすると、外気の侵入と室内空気の漏出が少なくなる。以上の事が、既往の研究により示されている。また、エアカーテンの吹出し気流の一様性がエアカーテンの性能に大きく影響することが示されている。
今年度の研究では、3種類のエアカーテンを対象に吹出し気流の一様性を実験により確認し、エアカーテンの遮蔽性能への影響を実験とCFD解析により検討した。
実験は東京都市大学建築学科棟環境実験室において行った。室内を想定した空間(4.0m(X)×4.0m(Y)×2.5m(Z))を実験室と呼び、暖房状態とする。また、その周囲空間(7.8m(X)×12.9m(Y)×3.5m(Z))を実験場と呼び、外部空間と想定する。エアカーテンは実験室出入口の屋外側に設置している。
以下の知見が得られた。(1)エアカーテンの吹出し気流の一様性が高い場合、エアカーテンのシーリング効率が高い。逆にエアカーテンの吹出し気流が欠損している製品や吹出し気流の風速に分布がある製品は効率が低い。(2)エアカーテンの幅が開口幅を覆い、かつ、エアカーテンが開口に近い位置に設置されている場合は効率が高い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では空調擾乱によるエアカーテンの効率への影響を実験により確認している。この実験では空調風量を適切に調整する必要があるが、これを行うためのマスフローコントローラが故障した。メーカーに問い合わせ、修理や新品購入を試みたが、半導体不足でこれができなかった。このため、十分に実験を行うことができず、CFD解析による検討に重心を移した。
昨年度にマスフローコントローラを入手し、実験を実施したが、当初の予定より遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

前述のように、実験機器の故障と半導体不足により研究が遅れたため、研究期間を延長させて頂いた。本年度は昨年度に実施した実験結果を元に検討を進め、研究成果をまとめる作業を主に行う。既に、研究成果は査読付き論文や建築学会大会論文・空気調和・衛生工学会大会論文などで公表している。さらに、査読付き論文などで成果を広く公表する予定である。
成果をまとめる上で補足すべき内容に関するCFD解析を実施し、より系統的な研究とすべく、研究を進める。
また、本研究課題を通じて、エアカーテンの設計方法が国内では充実していないことを強く感じた。これについては、国外のエアカーテンに関する設計法・基準・規格を整理し、エアカーテンの設計法について検討を進めていきたい。ISOなどではエアカーテンの吹出し風速の一様性がエアカーテンの効率に大きく影響するとして、重要視されている。これらについて、今年度は実験データを整理・分析し、CFD解析との比較を実施する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件)

  • [雑誌論文] 建物出入り口に設置するエアカーテンの高効率化に関する研究(第2報):空調擾乱と人体擾乱によるシーリング効率への影響に関する実験とCFD解析2024

    • 著者名/発表者名
      荻田 俊輔、近藤 靖史
    • 雑誌名

      日本建築学会環境系論文集

      巻: 89 号: 816 ページ: 69-76

    • DOI

      10.3130/aije.89.69

    • ISSN
      1348-0685, 1881-817X
    • 年月日
      2024-02-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 建物出入り口に設置するエアカーテンの高効率化に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      TANAKA Yuta、KONDO Yasushi
    • 雑誌名

      日本建築学会環境系論文集

      巻: 86 号: 790 ページ: 899-908

    • DOI

      10.3130/aije.86.899

    • NAID

      130008123628

    • ISSN
      1348-0685, 1881-817X
    • 年月日
      2021-12-01
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 吹出し気流の一様性が比較的高いエアカーテンのシーリング効率に関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      神谷玲士、土屋未来、八木鈴乃、荻田俊輔、近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エアカーテンの吹出し気流の一様性がシーリング効率に及ぼす影響 (その1)実験による検討2023

    • 著者名/発表者名
      土屋未来、八木鈴乃、神谷玲士、荻田俊輔、近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エアカーテンの吹出し気流の一様性がシーリング効率に及ぼす影響 (その2)CFD解析による検討2023

    • 著者名/発表者名
      八木鈴乃、土屋未来、神谷玲士、荻田俊輔、近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] エアカーテンの吹出し気流の一様性がシーリング効率に及ぼす影響 (その3)吹出し気流性状を考慮した実験とCFD解析2023

    • 著者名/発表者名
      荻田俊輔、神谷玲士、近藤靖史
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その12) 冬季条件における空調擾乱によるシーリング効率への影響に関する実験2022

    • 著者名/発表者名
      松野 倖大、荻田 俊輔、田中 文乃、近藤 靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その13) 空調擾乱と人体擾乱によるシーリング効率への影響に関するCFD 解析2022

    • 著者名/発表者名
      田中 文乃、荻田 俊輔、松野 倖大、近藤 靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究(その14)空調擾乱と人体擾乱によるシーリング効率への影響に関する実験とCFD解析2022

    • 著者名/発表者名
      荻田 俊輔、近藤 靖史
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その 9) 空調擾乱によるシーリング効率への影響に関する実験2021

    • 著者名/発表者名
      多田 雄祐、田中 優汰、和田 侑也、近藤 靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その 10) 空調擾乱によるシーリング効率への影響に関する CFD 解析2021

    • 著者名/発表者名
      和田 侑也、田中 優汰、多田 雄祐、近藤 靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その 11) 外部風によるシーリング効率への影響に関する CFD 解析2021

    • 著者名/発表者名
      田中 優汰、近藤 靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その4) 夏季条件の実験による検討2020

    • 著者名/発表者名
      木下友貴 田中優汰 西村祥太 近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その5) 夏季条件及び冬季条件の実験室を対象としたCFD解析2020

    • 著者名/発表者名
      西村祥太 田中優汰 木下友貴 近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 空調・換気効率向上に寄与する二重エアカーテンに関する研究 (その6) 人体擾乱を組み込んだCFD解析と外気侵入量の算出法2020

    • 著者名/発表者名
      田中優汰 近藤靖史
    • 学会等名
      日本建築学会年次大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi