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軽量小型かつ堅牢なセンサーによる吸音率測定精度の向上

研究課題

研究課題/領域番号 20K04823
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分23020:建築環境および建築設備関連
研究機関日本大学短期大学部

研究代表者

星 和磨  日本大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50373171)

研究分担者 岡本 則子  大分大学, 理工学部, 准教授 (00452912)
富来 礼次  大分大学, 理工学部, 教授 (20420648)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード吸音率 / カーディオイドマクロホン / 音圧 / 粒子速度 / 音響管 / カーディオイドマイクロホン / 音響材料 / 現場測定 / 音圧-粒子速度センサ / 吸音材料 / 音響インピーダンス / 測定法
研究開始時の研究の概要

建築性能向上から,大空間かつ高気密な室内空間が増えてきた。それに伴い,このような空間で生じる音が「響きすぎてうるさい」「何を言っているのか聞き取りづらい」といった苦情が増えている。内装に使われる材料が音エネルギを吸わないことが原因(吸音不足)である。このように空間を診断するためには,「部屋の大きさ」「表面積」「表面材料の吸音率(材料が音のエネルギを吸う割合)」を知る必要がある。本研究は,現場で表面材料の吸音率を計測するための「軽量」かつ「堅牢」なセンサを開発することを目的としている。本センサは新しい音圧-粒子速度センサに相当するため,成果の応用範囲は広い。

研究実績の概要

研究代表者(星和磨)は,二本の異なるカーディオイドマクロホンを用いて,音響管に設置した材料の垂直入射吸音率を計測する方法を考案した。この方法で吸音率を計測するためには,カーディオイドマイクロホンが捉える電圧から音圧および粒子速度へ変換できることが前提となる。そこで研究代表者は,端部を剛壁とした音響管を用いて,マイクロホン固有の感度係数 (mV/Pa, および mv・s/m) を計測する方法を考案した。自作木製の音響管を用いて変換係数を測定した。さらにその係数と二本のカーディオイドマイクロホンを用いて吸音材の垂直入射吸音率を測定した。その結果,変換係数は大きさ(ノルム)だけでなく位相も利用しなければ,他の方法で計測した吸音率と同等の吸音率が得られないことがわかった。さらに,素材,断面形状,長さが異なる音響管を用い,同様の測定ができるか確認した。その結果,感度係数 (mV/Pa, および mv・s/m) の計測,吸音材の垂直入射吸音率の測定,ともに問題なく測定できることを確認した。
また研究分担者(富来礼次,岡本則子)は,マイクロフロウン社製の音圧-粒子速度センサに関して,温度が校正値および測定結果に及ぼす影響を調べた。その結果,校正時の温度変化が粒子速度センサの振幅値に影響を及ぼすことがわかった。また,現場に設置したグラスウールの吸音率測定において,現場の温湿度と校正時の温湿度が一致していれば,吸音率の値は概ね一致することがわかった。
さらに,カーディオイドマクロホンによる吸音率の現場測定が可能かを調べるために,共同で基礎実験を実施した。その結果,音響管で測定した感度係数 (mV/Pa, および mv・s/m) を用いることで,安定した測定値が得られることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各研究機関で実施しているセンサーの特徴把握に関する研究については順調に進んでいる。また今年度,研究代表者と研究分担者は,同一の建築材料の吸音率の現場測定実験を初めて実施した。その結果,開発しているカーディオイドマクロホンを組み合わせたセンサーによって,感度係数を用いることで所望の吸音率を測定できることを示唆するデータを得た。

今後の研究の推進方策

今年度は,同一の吸音材を複数のセンサーで計測する実験を共同で実施し,複数のセンサーによるデータを得ることができた。今後このデータを分析するとともに,来年度は条件を増やして数回実験する予定である。またここで得られた成果が妥当であると判断できれば,国内外の学会で発表する予定である。また共同実験を重ね確たる事実が得られ次第,論文を投稿する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Method for analyzing sound pressure and sound particle velocity using cardioid microphones2024

    • 著者名/発表者名
      Hanyu Toshiki、Hoshi Kazuma
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 45 号: 2 ページ: 90-97

    • DOI

      10.1250/ast.e23.38

    • ISSN
      0369-4232, 1346-3969, 1347-5177
    • 年月日
      2024-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] C-C法を用いた音響透過損失測定の試み2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤 菖, 石塚 崇, 星 和磨, 鈴木 諒一, 羽入 敏樹
    • 学会等名
      日本音響学会第151回(2024年春季)研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カーディオイドマイクロホンを用いた音圧と粒子速度の解析手法2024

    • 著者名/発表者名
      羽入敏樹, 星和磨
    • 学会等名
      日本音響学会第151回(2024年春季)研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 二本のカーディオイドマイクロホンと音響管による垂直入射吸音率の測定 -複数の音響管による測定結果の比較-2024

    • 著者名/発表者名
      星和磨, 羽入敏樹
    • 学会等名
      日本音響学会第151回(2024年春季)研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アンサンブル平均を用いた in-situ 吸音測定法による人工芝の吸音特性の測定の試行2024

    • 著者名/発表者名
      今岡賢宝, 富来礼次, 岡本則子, 大鶴徹
    • 学会等名
      日本建築学会2023 年度(第 63 回)九州支部研究報告
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Calibration of a cardioid microphone for improving accuracy of normal impedance measurement in a tube2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Hoshi, Toshiki Hanyu
    • 学会等名
      he 52nd International Congress and Exposition on Noise Control Engineering (Inter-Noise 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 二本のカーディオイドマイクロホンと音響管による垂直入射吸音率の測定2023

    • 著者名/発表者名
      星和磨, 羽入敏樹
    • 学会等名
      日本音響学会第150回(2023年秋季)研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 音圧 - 粒子速度センサを用いる材料の吸音特性のin-situ 測定法に関する研究 恒温恒湿器によるセンサ感度の検討2023

    • 著者名/発表者名
      今岡賢宝, 富来礼次, 岡本則子, 大鶴徹
    • 学会等名
      2023年度日本建築学会大会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 音圧-粒子速度センサを用いる材料の吸音特性のin-situ 測定法に関する研究 ―温度がセンサの校正値及び測定結果に及ぼす影響―2023

    • 著者名/発表者名
      池田夏菜, 富来礼次, 岡本則子, 大鶴徹
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告[環境系]
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 音圧-粒子速度センサを用いる吸音特性のin-situ測定法に関する研究 ―温度・湿度毎の校正値の適用―2022

    • 著者名/発表者名
      池田夏菜,富来礼次,岡本則子,大鶴徹,田原有彩
    • 学会等名
      日本音響学会秋季研究発表会講演論文集
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 一本のカーディオイドマイクロホンと音響管による垂直入射吸音率の測定2022

    • 著者名/発表者名
      星和磨,羽入敏樹
    • 学会等名
      日本音響学会2022年春季研究発表会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] アンサンブル平均を利用した材料の吸音特性のin-situ測定法に関する研究 -音圧-粒子速度センサ校正の再現性及び簡易化に関する検討-2022

    • 著者名/発表者名
      池田夏菜, 富来礼次, 岡本則子, 大鶴徹
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告[環境系]
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] アンサンブル平均を利用した材料の吸音特性のin-situ測定法に関する境界要素解析 -音波の入射角とその範囲に関する検討-2022

    • 著者名/発表者名
      田原有彩,富来礼次,岡本則子,大鶴徹,坂田尚志
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告[環境系]
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] An acoustic impedance measurement technique using one cardioid microphone in a tube2021

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Hoshi, Toshiki Hanyu
    • 学会等名
      EuroNoise 2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] アンサンブル平均を利用した建築材料の吸音特性の in-situ 測定法に関する研究 -高周波数域までを対象とした統計入射吸音率の算出-2021

    • 著者名/発表者名
      堀池信芳, 岡本則子, 大鶴徹, 富来礼次, 松岡恭行, 益田雅大
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] アンサンブル平均を利用した建築材料の吸音特性のin-situ測定法-音響管を用いたpuセンサの校正の再現性に関する検討-2020

    • 著者名/発表者名
      堀池信芳, 岡本則子, 大鶴徹, 富来礼次, 松岡恭行, 益田雅大
    • 学会等名
      日本音響学会九州支部第14回学生のための研究発表会講演論文集
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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