研究課題/領域番号 |
20K04830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊丹 絵美子 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00509119)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 工務店 / 向社会的行動 / ソーシャル・キャピタル / アンケート調査 / アウトリーチ / まちづくり / コミュニティ・スペース / 住宅管理 / 信頼関係 / 居住者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,地域に根差した工務店による地域・社会の利益を目的とした向社会的行動の実施実態を明らかにし,当該行動の成立条件と効果を探るものである。本研究の目指す社会的なゴールは,当該行動の普及・促進と,居住者が住宅の修繕・リフォームの依頼先を安心して選定できる社会環境整備にある。向社会的行動がもたらす好循環の可能性を、理論的枠組みの構築と工務店による当該行動の実態調査により検証する。
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研究実績の概要 |
①一般社団法全建総連リフォーム協会の協力を得て、全国のリフォーム事業者を対象に地域貢献活動に関するアンケート調査を実施した(配布数621通(1通不着)、有効回収数131通・有効回収率20.4%)。調査対象としてアクセスが困難である比較的事業規模の小さい事業者の地域貢献活動の内容、方法、社内での位置付けなどを把握することができた。活動の効果として、当活動の目的の達成(地域の課題解決や魅力向上)、地域住民とのつながりの構築、自社の認知度の向上や信頼感の醸成が実感されていることが確認された。自由意見には、本業の業務上の課題が列挙されており、地域貢献活動の実践の全体に本業のゆとりが必要であることがわかった。これらは、当該活動の普及・促進に向けた知見といえる。 ②アウトリーチ活動として、①のアンケート回答者へのアンケート結果速報の送付、一般社団法全建総連リフォーム協会の総会での講演「工務店による向社会的行動と本業との関係」を行った。 ③昨年度までに実施した社屋内にコモンスペースをもつ工務店の調査結果の分析を行った。手法をマーケティングの観点で整理し、成果を社会心理学分野における信頼理論を援用した。それにより、個別で多様な4事例の共通点・相違点の整理、向社会的行動の手法・効果の解釈を行うことができた。 ④自身の所属する研究会の活動の一環で、工務店・建築士が戸建住宅のリフォーム工事に第三者として関与するプロジェクトに対するアクションリサーチの成果を取りまとめて、日本建築学会技術報告集に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のまでの進捗の遅れは、多少挽回できたが、当初予定よりはやや遅れている。大学業務の負担増加(教務委員など)、新型コロナウィルス感染に伴う家事・育児の負担増加など、複数の要因により研究時間の確保が困難であった。これまでの調査結果を丁寧に分析し、社会的意義のある成果とするためには、時間の確保が必要と考え、1年間の延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
①社屋内にコモンスペースをもつ工務店に対するインタビュー結果を取りまとめる。必要に応じて、追加のインタビュー調査を行う。また、都市計画学会の査読付き論文に投稿し、学術発表会では、多様な議論を行いたい。 ②全国のリフォーム事業者を対象に行った向社会的行動に関するアンケート調査の結果を取りまとめる。必要に応じて、追加のインタビュー調査を行う。日本建築学会の査読付き論文に投稿する。 ③アウトリーチ活動を積極的に行い、当該活動の普及・促進に尽力する。まずは、申請者が理事を務める特定非営利法人住宅長期保証支援センターを通して、地域の工務店に対して、本研究の成果を伝え、向社会的行動の動機付けを行いたい。
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