研究課題/領域番号 |
20K04839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
中井 邦夫 神奈川大学, 建築学部, 教授 (40313340)
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研究分担者 |
曽我部 昌史 神奈川大学, 建築学部, 教授 (00262270)
内田 青蔵 神奈川大学, 建築学部, 教授 (30277686)
石黒 由紀 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (40737483)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 防火建築帯 / 建築類型学 / 都市建築 / 防災建築街区 / 沿道型建築 / 街区型建築 / 空所 / 中層建築 / 類型学 / 戦後復興 / デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
日本各地の都市では、各時代の多様な建物群が相互の関係性を欠いたまま混在した結果、人間的尺度や賑わいを欠く街並みや不活性な外部空間が問題となり、また多様な都市建築の特徴を理解する分析手法や新たな都市建築モデルの提案も立ち遅れている。 本研究では、近年の建物には見られない沿道の街並みや多様な外部空間、住・商・業の複合などの特徴を有し、また建物群の連携による都市形成が意図された、戦後復興期の沿道型中層建築「防火建築帯」に改めて注目し、都市建築に関する定性的な分析手法の構築とともに、世界的にも独特な多様性を有する日本の現代都市における街並みと外部空間を再編し得る、新たな都市建築モデルの探求を目指す。
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研究実績の概要 |
令和4年度の計画としては、最終年度として、前年度までの研究活動の取りまとめなどを中心に進める予定であったが、コロナ禍に伴う研究計画の見直しが必要となったため、当初前年度までに実施する予定であった研究活動を引き続き実施することとなった。具体的には、現時点で現存することが把握されている国内各地のいくつかの事例を対象に、文献や現地取材、関係者への聴取などにより資料収集と調査を進めると同時に、防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケーススタディを行った。主に以下のような研究を推進した。 1)各地の防火建築帯並びにそれに類する戦後復興建築のについての調査研究・・・前年度までの活動に続き、横浜および金沢に残る事例について調査を行い、それぞれ報告書としてまとめた。また沖縄、東京の事例等に関する学会発表を行うとともに、岡山、徳島などにおける事例に関する調査を行った。 2)防火帯建築の継承建築である防災建築街区に関する事例調査・・・防火帯建築を継承して制定、建設された、全国の防災建築街区について事例のうち、当時の代表的な都市建築モデルのひとつといえる、住商併存型の建物(下駄ばきアパート)の外形構成に関する論文を建築学会論文集にて発表した。また大阪、富山などにおける防災建築街区事例に関する調査を行った。 3)防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケース・スタディとしての、富山県魚津中央通り防火建築帯の再生活用計画の推進・・・前年度までの活動を継続して、同防火建築帯内の一区画の改修を進めた。令和4年度終了時点で、改修工事の約8割程度まで進んでいる。 4)防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケース・スタディとして、前橋市内に残る事例を対象とした改築案を作成した。 (以上)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
長期化したコロナ禍の影響等により、令和4年度も引き続き、いくつかの研究項目の実施が難しい状況が続いたことなどの原因により、本研究課題の進捗状況は、当初のスケジュールよりもやや遅れていると言わざるを得ないものの、そうした状況下において、実施計画の組み替え等を行い、前倒しして実施できるものを先行して推進することとした。とくに、国内各地での視察調査の実施については、大阪や岡山、富山、金沢、徳島などのいくつかの事例についての調査研究を推進することができた。その結果、令和4年度の予算執行額は、当該年度の当初予算額の7割あまりまで執行できた一方、コロナ禍の影響で、当初計画に組み込まれている国外での視察調査旅費等が消化しきれていないことなどを主な原因として、前年度までの未執行分を含む予算が残されている。
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今後の研究の推進方策 |
長期化したコロナ禍の影響によって、現地調査が研究の重要な位置を占めている本研究課題の当初の実施計画は、これまで大幅な見直しを強いられ、研究計画も随時見直しを行いつつ実施可能なものを推進してきたが、当初の最終年度であった令和4年度までにおける研究項目の消化が難しくなったため、本研究の期間延長を申請し、認められた。令和5年度においては、これまでに実施できていない研究項目の実施を計画しており、引き続き全国各地ならびに国外での視察調査の実施を進めるとともに、当初計画の目標である「新たな都市建築モデルの構築」を推進するとともに、研究全体の取りまとめへ向けて活動していく予定である。
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