研究課題/領域番号 |
20K04842
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
関川 華 近畿大学, 建築学部, 准教授 (10646087)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | BRS / PSLA / フランス / 社会住宅 / 団地再生 / ソーシャルミックス / Paris Habitat / OPH / Paris Habitat OPH / ミクストコミュニティ / 住宅管理 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の公営住宅の既存ストックでは、老朽化、空き家化、居住者の高齢化、独居化が問題となり住宅修繕だけでなく事業スキームや居住支援の面からも再整備の方向性が模索されている。一方、公的住宅の歴史が蓄積する欧州の中のフランスでは、1990年代以降、公的セクターと民間の社会住宅供給事業者とが協同的に団地再生を実施し、ソーシャルミックスを促進しようとしている。 本研究はフランス首都圏において公的セクターが民間企業と手がけた、ミクストコミュニティを意図した団地再生の計画の要点及び、団地経営に関わる事業スキームの手法を解明し、日本の公営住宅の再整備に資する知見を得ようとしている。
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研究実績の概要 |
本研究は以下の主要な2つの課題によって研究目的を達成しようとしている。課題1は団地再生の計画の把握、課題2は団地経営のスキームの把握である。 それら課題にはそれぞれ2つの小課題を設定しており、令和4年度は課題1及び2に関する現地調査を実施した。申請時(令和1年、2019年)に立てていた調査計画が、新型コロナウィルスの世界的感染拡大を受けて延期されていたのだが、感染状況のコントロールが国内外にて達成されつつあり、海外渡航のハードルが徐々に緩和されてきたため実施することができた。 令和4年8-9月には、課題1の現地調査は「団地再生の事業実態」を把握するため、パリ市内の複数の再生事例(再生目的や手法に特徴がある事例を抽出したのち)の踏査を行った。11月には都市住宅学会にてヨーロッパの住宅政策の方向性の転換について、当該踏査の結果などを踏まえてシンポジウムの話題提供をした。また、12月にはISAIA(International Symposium on Architectural Interchange in Asia アジアの建築交流国際シンポジウム)で結果を報告した。令和5年2-3月には、前年度に研究課題として残っていたPSLA(Pret Social Location Accession)やBRS(Bail Reel Solidaire)に関する情報を、PARIS HABITAT(パリ市住宅供給公社)及びLa Coop Foncier(パリ市においてBRS事業を管轄する組織)に対してヒアリング調査を実施した。現在、オンラインで公開されているBRS住宅のプランなどを収集する追加調査を実施しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に対する対応や管理体制が国際的に整備されてきたことを機に、予定していた現地調査を実施することができた。現在のフランスの住宅政策の方向性の転換などがこれまでの文献調査から明らかになっていたが、その実態を現地踏査とヒアリングによって、より現状を具体的に把握することができた。これまでの文献調査だけでは情報収集の限界を感じていたが、今回、現地調査を通じて現在のフランスの住宅事情や住宅問題に取り組む組織の活動などの情報が得られ、法律や再生事業の背景となる社会状況の把握を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度には課題2を概ね完了させる。また研究結果の発表に注力する。現時点で得られた情報の整理と、必要に応じて追加的なフィールド調査、文献調査も実施したいと考える。 研究費については、令和2-3年度に成果の公表のために報告会などへの参加費や出張費を計上 していたものが繰り越されていたが、新型コロナウィルス禍での現地調査の実施によって計画通りに使わせていただくことができた。衛生面や健康面に対する国際的なルール(検疫等)によって申請時の想定以外の状況があった(出入国時のPCR検査の義務など)。令和3年度の実施報告書では、令和4年度の研究の方向性として「結果の発表への注力」を挙げていた。令和4年度は、国内及び国際的な学術会議での報告ができた。令和5年度は現時点で得られているデータの整理と学術発表を積極的に行っていく。
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