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沖縄の近現代史に関わる歴史的環境と場所の記憶の継承に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04870
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分23030:建築計画および都市計画関連
研究機関琉球大学

研究代表者

清水 肇  琉球大学, 工学部, 教授 (40244280)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード歴史的環境 / 近代化遺産 / 沖縄 / 場所の記憶 / 歴史的資産 / 文化財 / 近現代史
研究開始時の研究の概要

本研究は、日本国内でも他地域と異なる歴史を経た沖縄県において、近現代の記憶に関わる歴史的環境を取り上げ、①場所の記憶に関わる資料の収集と整理、②地域における歴史的資産の存在状況に関わる調査、③場所の記憶の継承のための歴史的資産の保全継承の方法の検討、④地域住民の記憶継承活動の実践を通じた継承可能性の検討、を行い、地域の課題にこたえるとともに普遍性のある知見を導こうとするものである。

研究実績の概要

2023年度においては、沖縄の神社風の拝所に関する調査研究、首里地域の戦前戦後の町に関わる記憶に関する研究を実施し、研究資料の収集活動として韓国、済州大学が所蔵する沖縄戦時の沖縄の米軍撮影空中写真の資料の複写に関わる活動の進展をみることができた。
神社風拝所については、沖縄の近代の文化的資産の中で、沖縄固有の信仰の場所である拝所が琉球の日本併合以降の変容として生じたと考えられるものであり、それらの形態に関わる実態と祭祀の場としての意味について調査研究を実施した。神社風拝所の形態について、現地観察調査をもとに祭祀場所と祭祀対象の関係から類型化を行い、沖縄県内の神社風拝所の形態の全体像を明らかにした。さらに実際の祭祀についての地域関係者の聴き取り調査を行い、祭祀場所である拝殿と祭祀対象である本殿を概念上分離する日本の神社形態に類似していながら、信仰の対象が必ずしも本殿に集約されておらず、沖縄の固有信仰の概念と祭祀方法を神社風拝所の中で適宜実施している実態を明らかにすることができた。
首里地域の戦前戦後の町の記憶に関わる調査では、ニシカタ地区と呼ばれ、王府時代の屋敷町であった当蔵町、大中町における資料収集と整理、地域の高齢者の聞き取り調査を行い、戦前の町並み、沖縄戦直前の状況、戦時の被害と戦争直後の米軍による地域改変、復興時の経緯と様子など、地域の場所の記憶の詳細を明らかにすることができた。
研究資料の収集として、沖縄戦時に米軍が沖縄県内で撮影した空中写真資料で韓国、済州大学に所蔵されているもの約1600枚について、現地での写真の画像(紙版およびスキャンデータ)確認を実施し、特に高精細であるものや撮影角度と構図に特色があるものの複写の要請手続きを行うことができた。本件については、2023年度内に閲覧と複写要請を行い、2024年度において複写データが入試できる見込みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度から2022年度までは、新型コロナウィルス感染症の流行による行動制限のため現地調査と関係者の聞き取り調査が困難な状況があり、予定していた調査の70%程度を実施するペースで研究を進めてきた。
2023年度には、行動制限がほぼなくなったために、宮古地区、八重山地区、沖縄島北部などの現地調査を多く実施することができ、現地における聴き取り調査も計画通り実施することができた。そのために2022年度までの研究の遅れを相当程度リカバーすることができたが、まだ若干遅れている面がある。
空中写真の複写データの入手については、韓国への渡航および現地での行動に制約が大きい時期が続いていたが、2023年度に現地関係者との調整が可能となり、また、写真を所蔵する主体が済州大学の地理教育学専攻から済州大学博物館に変わり、閲覧の手続や費用についての条件が大きく改善されたため、懸案であった資料収集活動の障害が解消され、資料入手の手続を進めることができた。
以上の状況により、2022年度までの研究の遅れは2023年度に大きく改善されたが、当初の予定の全てを実施するには至っていないため、やや遅れている状況と認識している。

今後の研究の推進方策

今後の研究および研究に関わる活動課題は、沖縄における近代の地域環境変化が持つ多面的な意味を論理的に整理するという理論面と、場所の記憶の継承に関わる実践面の両面がある。
理論面については、近代化の基本的な側面である産業社会化の側面と関連して、琉球固有文化への日本文化の影響や地域社会における建設技術や環境改変の活動への近代技術の影響まで多面的に検証していく。
場所の記憶の継承活動については、とくに首里地域において研究成果の地域への還元と共有をモデルケースとして進める。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 沖縄県における集落の祭祀空間について その1 祭祀空間の構成2023

    • 著者名/発表者名
      井上拓弥・多城直樹・清水肇
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 沖縄県における集落の祭祀空間について その2 神社風拝所の空間構成について2023

    • 著者名/発表者名
      多城直樹・井上拓弥・清水肇
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 沖縄における近代化遺産(建造物等)の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      多城直樹, 清水肇
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 那覇市繁多川地域の居住地形成過程からみた住環境改善課題2023

    • 著者名/発表者名
      清水肇
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Preservation of Historical Alleys and Improvement of Living Environment in Shuri-kinjo District, Naha, Okinawa, Japan2022

    • 著者名/発表者名
      SHIMIZU Hajime
    • 学会等名
      The 6th Regional Conference of the OWHC,Experts' Workshop: Enhancing Livability in World Heritage Cities
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 記憶から見た集落の地域遺産のとらえ方2022

    • 著者名/発表者名
      多城直樹、清水肇
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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