研究課題/領域番号 |
20K04883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飛ケ谷 潤一郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30502744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 16世紀 / イベリア半島 / ルネサンス / 建築装飾 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1479年のスペイン王国成立から1588年のアルマダ海戦までのイベリア半島の建築の様式変遷について考察する。スペインのルネサンス建築を理解するためには、同時代のイタリアとポルトガルの建築の動向も合わせて把握しなければ不十分であり、近代的な各国史の流れにしたがって理解することは難しい。そこで本研究では主にイベリア半島を広く対象とするが、構造と装飾との関係にテーマを限定して、様式変遷の再解釈を提案したいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では最初の2年間に海外調査ができなかったため、研究対象範囲の縮小や変更を余儀なくされ、今まで取り組んできたイタリアとスペインとの関係をさらに深く研究する方針へと変更した。したがって、その研究成果もイタリア・ルネサンスの建築書がスペインに及ぼした影響に関するものが中心となった。当初計画していた構造と装飾との関係については、取り上げることのできた事例がマドリード近郊の建築などに限定されたため、説得力のある結論を導くことはできなかったが、とりわけ15世紀のフィラレーテと16世紀のセルリオの建築書から大きな影響を受けていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
16世紀のイベリア半島の国々は、世界史的な観点からは従来の建築史編纂で重視されてきたアルプス以北の国々よりも積極的に取り上げられるべきと考えられる。本研究の学術的意義はその一助となることをめざしたものであるが、結果的にはマドリード近郊の建築にみられるイタリア・ルネサンスの建築書の影響を再確認したにとどまった。社会的意義については、今回主に取り上げたミラノのオスペダーレ・マッジョーレやスペインの王室関係の施療院にみられる基本的な概念は、近代の平面計画にも少なからぬ影響を及ぼしており、今日においても注目に値することは強調しておきたい。
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