研究課題/領域番号 |
20K04885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
小林 直弘 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (60543808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 近世社寺 / 護持院隆光 / 近世寺社建築 / 綱吉政権 / 寛文八年令 / 密教寺院 / 近世社寺建築 / 近世寺院 / 江戸中期 / 徳川綱吉 / 護持院 |
研究開始時の研究の概要 |
近世寺院建築として完成する時期を元禄期前後と仮定して研究する。技術の展開は寛文八年令を変革期としてとらえ、建築構成、構造、意匠などの見せ方や作り方の検討を前後の時期で比較し、近世寺社建築の価値を再評価することを目的とする。そのため研究の視座は、①「法制限下で創意工夫された架構の構法としての発達を確認した評価」視点②「大規模建造物をつくる技術の発達」これらを加速させた視点③「護持院隆光の活躍」を以て近世的な寺院建築の完成となると推定する。綱吉政権下で多大なる帰依を受けた護持院隆光の活躍を鑑みて関東八州を中心としつつも全国的に概観し、悉皆的に本堂建築を調査しその実態を把握する研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、中世以前から続く密教空間を有する本堂(五間堂を中心とする)建築の近世化を江戸中期(元禄・宝永期)が完成期として仮定し、その実証を現存する建造物と仏教界の動向から考察するものである。 本年度も引き続き寺院建築の近世化に関する調査を実施した。①寺院本堂検知の技術の全国的な伝播として、史料の収集に努め考察は次年度の課題とした。対象は、護持院隆光が直接かかわった乙訓寺の再興について現地視察と共に史料の把握を実施した。史料では、隆光が取りまとめた縁起、寺院法度、寺領を認める書状などと共に、後世の僧侶による縁起から建設に至る経緯が見られ、元禄宝永期における寺院の再興に関わる手続きの確認ができる。また大規模な造営として桂昌院が寄進した清涼寺本堂を対象として、細部意匠、建築技術の確認を現地にて行った。②近世の建築技術の把握として、大規模な寺院建築を対象に現地での確認と共に、保存図面や調査により作成された図面などを比較検証するために、所在の把握に努めた③近世の仏教政策に関して、改めて江戸初期からの関係性の把握と共に、護持院隆光の足跡について整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近世社寺を技術、意面の確認を現地視察と共に、図面資料、造営に関する史料の把握、護持院隆光との関連についてなど概ね計画通りに進めている。しかし、当初計画にある実測については、やや遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、成果のとりまとめを実施する。とくに、鹿沼市にある医王寺の造営に関わる史料群と乙訓寺、清涼寺など護持院隆光の関与が特に強いと認められる寺院を中心として進める。また意匠を図像として記録し比較する基礎的な研究も併せて進める。
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