研究課題/領域番号 |
20K04889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 長岡造形大学 |
研究代表者 |
平山 育男 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (50208857)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 和釘 / 洋釘 / 併用 / 価額 / 角釘 / 丸釘 / 仕様書 / Nail-rod / Wire-rod / 輸入 / 輸出 / 再輸出 / 釘鉄 / 山居倉庫 / 明治時代 |
研究開始時の研究の概要 |
以上の作業により、幕末期から明治時代中期にかけての時期における和釘と洋釘の使用を実態に即して明らかにするとともに、洋釘類輸入、和釘と洋釘の併用の様相、洋釘の価格面における和釘に対する優位性等について更に踏み込んで解明することができるものと考える。 また、明治時代における和釘と洋釘の使用実態が明らかになることにより、歴史的建造物の調査における建築年代判定の指標の一つとして、和釘と洋釘の併用を用いることが可能となる。
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研究成果の概要 |
近代における和釘と洋釘の併用を踏まえ、和釘の原料とされたNail-rodの輸入開始を英字新聞より元治元(1864)年と見出し、明治20(1887)年代に至る輸入を確認した。 洋釘の輸入は明治4(1871)年になされたことを『横浜毎日新聞』により示し、以後、洋鉄和釘と洋釘が明治10(1877)年代後半を中心に併用されたことを示した。 和釘と洋釘の併用の実態は明治19(1886)年の国重文の旧中筋家住宅中蔵を検討し、和釘と洋釘が46:54の重量比で使われたことを示した。 洋釘の価額は元治元(1864)年の和釘に対し戦前期1/26にまで下落し、経済的要因が和釘から洋釘への転換を促したことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
明治10(1877)年代後半を中心に和釘と洋釘が併用されたことを示したことで、当該年代における建築調査における年代判定の指標として和釘と洋釘の併用をこれに用いることのできることを示した。 近代における木造建築は坪あたりの木材使用量は半減する一方、釘の使用量は坪あたり2.5以上となった。つまり、近代の木造建築は金具類の発達により従来の伝統的な技法が衰退したことを示した。 なお、和釘=角釘から洋釘=丸釘への転換は我が国のみならず全世界的に行われたことを示した上で、この転換時期において角釘と丸釘の併用があり、この時期が判明すれば全世界的に両釘の併用を年代判定の指標に用いることのできることを示した。
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