研究課題/領域番号 |
20K04894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山岸 吉弘 日本大学, 工学部, 講師 (40454201)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 建築生産 / 生産組織 / 大工棟梁 / 大工技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、江戸時代を代表する市井の職人である「大工棟梁」について、建築生産活動の内容や特質を歴史的事象として一般化・普遍化することにある。まず、対象地域の関東・東北地方に残る棟札を収集し、大工棟梁が生産活動に従事した史実を明らかにさせる。次に、大工棟梁による生産組織と技術の継承と蓄積という観点から、大工棟梁を広く社会や文化など歴史の中に位置付ける。本研究は、東日本(北関東および南東北)の大工棟梁に焦点を当て、未だ知られざる当地の大工棟梁の姿を明確にし、新たな大工棟梁の歴史像を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
近世建築生産史の研究は蓄積が多く成果も多岐に渡るが、これまであまり顧みられることのなかった東北地方を対象に、「大工棟梁」による建築生産活動の内容と特質を明らかにさせることが本研究の目的である。福島県を範囲として選定し、大工棟梁の氏名などが記載される棟札を中心に史料を悉皆的に収集し、大工棟梁が生産活動に従事した事実を明らかにさせる。その上で、中世から近世へと移り行く中で、先進的な技術を備えた大工と平民に混じって生活する無名の番匠が地域の造営を担い、他所から移入された技術が蓄積され大工や番匠の技術は向上し、最終的には両者の差異は限りなく縮まり接近したところで近世を迎えるに至る過程を明らかにさせた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学問領域である近世建築生産史における既往研究の蓄積はすでに膨大で、学術的な水準は一定の程度を越えている。特に、近畿地方を中心とした大工の研究は活発で、質・量ともに他を圧倒している。一方で、関東地方や東北地方における研究の状況は近畿地方と異なり、成果も少ない。東西において学術的な偏向があるのは、そもそも建築生産構造が根本的に異なっていることを示唆している。これまでの西国一辺倒の傾向を是正し、「東国における建築生産史とは何か」と問うことは学術的に極めて重要である。
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