研究課題/領域番号 |
20K04898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安高 尚毅 小山工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (50341392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 在方町 / 近世都市 / ネットワーク / 藩主の交代 / 地籍図 |
研究開始時の研究の概要 |
近世城下町は計画的に建設されたことは広く知られている。だが、領内の在方町がどのような意図をもって、配置・設計されたか不分明である。既往研究では、参勤交代に関わる街道整備による在方町の整備や農村集落を統括する在方町としての個別分散的な研究はあっても、領内の空間整備計画がどのような意図を持って行われたかは、申請者も仮説を提出するに留まり、本格的な検討はなされていない。本研究は、在方町の都市復原図を作成した上で、領国全体の空間整備の計画性の有無を読み解いていく。研究対象を近世前期在方町に絞り、特に代々藩主家が続く藩と藩主家が交代した藩を比較することで、領内の空間整備計画の存在の仮説を立証する。
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研究成果の概要 |
福岡藩では、江戸期に町が形成された場所や町並みの変遷が文献調査と都市復原図から明らかにされた。特に御茶屋を中心とした都市計画が初期から計画されており、町並みの形成に深く関与していたことが示された。一方、萩藩では勘場を重視し、町並みの形成後に御茶屋などが設置された例が見られた。松江藩では中世からの町並みを基盤にして近世に町が建設され、御茶屋の配置に特に計画性が見られなかった。宇都宮藩では幕府の宿駅制度に基づき町並みが整備された。これらの研究から、藩主の政策や時代背景が各藩の町並みの形成に影響を与えたことが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代都市の母胎となっているのは近世に開発された城下町とその衛星都市である在方町である。城下町はその多くが県庁所在地となり大きな改変が行われるが、在方町に関しては歴史的町並みがある程度残存し、歴史を活かしたまちづくりが期待されている。伝統的町並みに関する調査報告事例が少ない在方町=地方都市においては、都市の歴史の固有性を明らかにすることが急務となっている。特に伝統的町並みは時代の流れと共に解体され、その存在自体が忘れ去られようとしている。地域の文化を継承し、今後の地域振興につなげていくためにも、都市復原図の作成と在方町の成立を明らかにすることは大きな意義をもっている。
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