研究課題/領域番号 |
20K04902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
梅干野 成央 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (70377646)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 擬洋風建築 / 大工 / 近代化 / 建築史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の近代化の初期の過程にあらわれた擬洋風建築について、その代表例である旧開智学校校舎(長野県松本市、明治9年建設、国宝)をたてた大工棟梁・立石清重(文政12年-明治27年)に関する建築資料の分析を通じ、地方的展開の過程を実証的に解明するものである。具体的には、建築資料を用いて立石が手がけた作品の全体像を把握するとともに、洋風建築の受容と擬洋風建築の展開の過程を捉える。この成果によって、地方の一人の大工が築いた新たな文化の創造の過程を明示することができ、全国的な視野で語られてきた擬洋風建築の解釈に対する、地方で展開したもう一つの建築史を語ることができる。
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研究成果の概要 |
近代化の初期の過程において、最新の洋風建築の情報を収集した大工は、擬洋風建築と呼ばれる和洋が融合した建築を生み出した。本研究は、日本の近代化の初期の過程にあらわれた擬洋風建築について、旧開智学校校舎(長野県松本市、明治9年建設、国宝)をたてた大工棟梁・立石清重(文政12年-明治27年)に関する建築資料の分析を通じ、擬洋風建築の地方的展開の過程を実証的に解明するものである。具体的には、建築資料を用いて立石が手がけた作品の全体像や建築活動の具体を把握するとともに、建築資料の分析と建築遺構に基づく解釈に取り組み、洋風建築の受容と擬洋風建築の展開を捉える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、一人の大工に着目しつつ、擬洋風建築の展開を実証的に把握する研究の先駆けとして具体像を提供することができる。この具体像は、今後に取り組まれる同様な研究において比較の対象となるとともに、擬洋風建築に関わった大工の仕事の総合的な解釈に向けた下地を構築することができる。また、本研究によって明らかとなる擬洋風建築の地方的展開の具体像は、旧開智学校校舎の国宝指定において論じられた擬洋風建築の全国的な価値に接続する地域的な価値を見出す観点を提示でき、全国的な価値と地域的な価値が結びついた重層的な文化財保護モデルの構築につながる。
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