研究課題/領域番号 |
20K04904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
笠原 一人 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (80303931)
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研究分担者 |
奥 佳弥 大阪芸術大学, 芸術学部, 准教授 (20268577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 改修 / リノベーション / オランダ / ドイツ / 歴史的建築物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オランダとドイツを事例として、20世紀における建築家の歴史的建築物の改修デザインに焦点を当て、その理念と方法について調査・研究を行い、その特性を明らかにするものである。それは歴史的建築物の改修についての歴史研究の一部をもなす。 ここでいう改修とは、復元や修復(復原)のように建築物を建設当初の姿に戻すのではなく、歴史的価値の高い部分を残しながら、活用を前提に建物に対して新たなデザインを加え、オリジナルの建物の用途や機能、デザインを変更することを意味している。
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研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍が空けたことで、ドイツとオランダに見学調査を行くことができた。ドイツではミュンヘンで第2次世界大戦により戦災を受け戦後に改修された事例として、ハンス・デルガスト(Hans Doellgast)の改修設計によるAlte Pinakothek(1957年改修)、St. Bonifaz(1950年改修)、またヨセフ・ヴィーデマン(Josef Wiedemann)の改修設計によるSiegestor(1958年改修)、Glyptothek(1972年改修)などを見学した。またケルンでは、ルドルフ・シュワルツ(Rudolf Schwarz)の改修設計によるThe Museum of Applied Art(1956年)、Neu St. Heribert(1951年)、Old St. Alban (1960年)、St. Anne's Church in Duren(1956年)などを見学した。 ミュンヘンを中心に活動したデルガストは、外壁などに戦災の痕跡を残し見せながら改修を行う方法を確立した。ヴィーデマンもデルガストと同様の方法で改修を行った。一方、ケルンのシュワルツは、オリジナルの姿に復元する改修や、戦災の姿のまま廃墟のままで残すもの、あるいはデューレンの聖アンネ教会では、戦災で瓦礫となった旧教会の石材を用いて、全く新しい建物を建設している。 オランダでは、ロッテルダムのLaurenskerk Rotterdam(1968年改修)やヘリット・トーマス・リートフェルト(G.Th.Rietveld)の改修設計によるMetz & Co(1933年改修)などを見学調査した。前者はオリジナルに忠実な復元に近いもので、後者は19世紀の建物の屋上にモダニズム建築を増築したもので、新旧のコントラストを強く見せる手法である。
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