研究課題/領域番号 |
20K04914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
岩城 考信 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 准教授 (50647063)
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研究分担者 |
櫻田 智恵 名古屋大学, 人文学研究科, 学振特別研究員(RPD) (90808304)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チャオプラヤー川 / GIS / 水面利用権 / 地先 / 河岸地 / 環境史 / 都市史 / 邦人 / 河岸 / 郊外住宅地 / チャイナタウン / 都市再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水路の機能に応じて形成されたバンコクの多様な水辺空間の構成や特性を、タイ語の地図や資料と現地調査を複合的に結びつけながら、歴史的な視点に立脚し解明するものである。時代ごとに変化する環境的な要因と社会経済的な要因に応じて、形成と変容、そして再編を繰り返す多様な水辺空間の比較を行う。こうして、バンコクの水辺空間の特異性やそこにある都市問題、また再生ための戦略とその変遷を見出す。
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研究実績の概要 |
3年目となる令和4年度は、既に収集した古地図と戦前の日本人の旅行記などを詳細に読み込むことで、タイの水辺空間では、地先にある水路の一部を優先的あるいは独占的に使用する権利、水面利用権(地先権)が慣習的に存在していたことが明らかとなった。また、水面利用権あるいはそれに準ずる権利の法的な根拠は、管見の限り、1925年施行のタイ国民商法典となることも明らかとなった。それまでは水面利用権は慣習的なものであったと、現状では考えられる。こうしてこれまで曖昧であった、タイの水辺空間における水面使用権の実態がようやく明らかになってきたのである。 令和4年度も残念ながら、これまでと同様のコロナ禍で、現地での史資料の収集やインフォーマントへの聞き取り調査を実施することはできなかった。しかし、国立国会図書館のデジタルコレクションが、膨大な数の戦前の文書史料をネット上で公開したことにより、タイ人や西洋人、日本人の先行研究でこれまで触れられてこなかった、1890年代から1940年代のバンコクにおける河岸地のあり方や水面利用権、また衛生状況の実態といった水辺空間に関する新たな知見や、仮説を裏付ける根拠を得ることができた。現地調査は出来なかったものの、3年目にして、より本格的かつ新たな視点のもとで研究が進み始めたと言える。 コロナ禍で3年間、現地調査が出来なかった。そのため1年間研究期間を延長し、今年度は現地での史資料の収集と現地での古老への聞き取り調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の進捗状況が、「やや遅れている」の最大の理由は、コロナ禍のおいて、バンコクに渡航した上での史資料の収集や、水辺空間の変容に詳しい高齢のインフォーマントへの現地での聞き取り調査が実施できなかったことにある。 ただし、国立国会図書館のデジタルコレクションや京都大学東南アジア地域研究研究所図書室などを利用した国内での文書史料の入手と分析は、順調に進みつつあり、またすでに入手した古地図に対するGISを利用した分析も進みつつある。つまり当初の計画よりは「やや遅れている」ものの、当初の研究予定通りに進みつつある。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が開けた、本年度はバンコクでの調査出張を積極的に行いたいと考えている。特に、勤務校の夏季休暇となる8月あるいは9月には、バンコクに渡航した上で、タイ国立公文書館や国立図書館、またチュラロンコーン大学図書館などにおいて積極的に史資料の収集を行い、バンコクの水辺空間の変容に詳しい高齢のインフォーマントへの聞き取り調査も実施する予定である。また、これまで収集した史資料をもとに研究を進め、積極的に論文を執筆し、知見を公開していく予定である。
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