研究課題/領域番号 |
20K04934
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
尾関 和秀 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (20366404)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | DLC / フジツボ / パターン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、フジツボ類の船舶や発電設備等の構造物への付着防止を目的として、吸着抑制、機械的特性、環境に優れるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を応用することを目的とする。DLC膜に元素添加等の技術を付与することで、DLC表面に親水性・疎水性機能を付加し、DLC膜とフジツボの付着防止機能の向上及び付着防止の最適化を行う。
|
研究実績の概要 |
昨年度の結果から、パターン幅の縮小及び膜厚の増加が必要であることが明らかとなったため、令和5年度は、ステンレス製マスクパターンの幅を狭めて、パターン状DLC膜の作製を試みた。パターン幅を50μmと200μmのくし形のパターンDLC膜を作製した。また、DLCの種類には、シリコンとフッ素を添加した元素添加DLC膜も加えて、膜厚を1~3μmとした。 フジツボ付着試験においては、パターン幅の減少及び膜厚の増加に伴い、フジツボの付着数が減少することが明らかとなった。また、元素添加においては、シリコン及びフッ素を添加したDLC膜において、50%程度のフジツボの付着低減効果が認められた。DLC膜表面に酸素プラズマ処理を行ったサンプルにおいては、元素添加の有無にかかわらず、3%以下の高いフジツボ付着低減効果が認められた。 しかし、酸素プラズマ処理の効果は時間とともに低下し、シリコン添加DLC膜及びDLC膜においては、4週間後のフジツボ付着率は20%以上となることが明らかとなった。一方、フッ素添加DLC膜においては、4週間後のフジツボ付着率は15%となった。接触角測定においても、プラズマ処理直後は10°以下であるが、空気中で4週間放置した膜は40°以上となっており、フジツボ付着率と親水性との傾向は一致した。 摩擦試験においては、膜厚を増加させることで、摩擦係数が増加や膜の剥離が発生しやすくなることが明らかとなり、フジツボ付着低減効果とはトレードオフの関係にあった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度に計画していた元素添加のパターンDLC膜を作製し、フジツボ付着評価及び機械的評価を行う事が出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、当初の計画の通り、複数のDLC膜のパターン形状を作製し、パターンの幅や種類によるフジツボ付着低減効果を調査していく。
|