研究課題/領域番号 |
20K04937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中村 一彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40402086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 水中光無線通信 / 可視光レーザー / レーザーアレイ / 水中通信 / 水中光無線 / 可視光LD / レーザアレイ / 可視光レーザ / 可視光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,ギガビット級高速水中光無線通信における伝送距離の延伸を目的として,次に示す2点の検証を行う. ① 複数の可視光レーザビーム伝送での濁水中における距離延伸の効果の検証 ② 指向性制御機能を有するレーザアレイ部の構築,およびその実験的評価
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研究実績の概要 |
本研究課題では,水中でギガビット級の高速無線通信を実現するため,水中伝送距離の延伸を目的として,可視光レーザーアレイに指向性制御機能を持たせた送信機の実現を目的としている.当該年度は,青色光よりも濁水中での伝搬距離延伸が期待できる,波長520nmの緑色光の半導体レーザを2個用いた送信機を用いて,前年度に引き続き水槽による原理確認実験を主とした検証を行った.これまでは透明な水槽を用いて,側面から光信号を水中に入射して実験を行ったが,水槽の部材(アクリル)と空気,水の屈折率差によりそれらの境界面で光が屈折しビームが所定の光軸からずれてしまうことで,受信機へのビーム制御が精密に行えないという問題が明らかになった.そこで,光の出射部を水中に設置できるよう,自由空間射出型ではなく光ファイバピグテール射出型の半導体レーザーを導入することで,前述の光軸ずれを抑えることができ,事前に行った計算機シミュレーションとほぼ同様のビームステアリングが可能であることを確認した.しかし,その半導体レーザーのノイズフロアのレベルが高く,これまで行ってきた伝送実験でも用いてきた直交周波数分割多重(OFDM)信号やTomlinson-Harashima Precoding(THP)を適用した4レベルパルス振幅変調(PAM4)信号をその半導体レーザーを用いて伝送したところ,誤り訂正符号適用によりエラーフリー伝送が可能となるビット誤り率の目安となる10^-3以下を達成することが困難であることも確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ビーム指向性の検証については,光ファイバーピグテール型の半導体レーザーを導入することで光の出射部を水中に設置できたことにより,水,水槽の部材,空気の異なる屈折率の境界面での屈折を抑え,計算機シミュレーション結果との整合性の高い実験を行えるようにはなった.しかし,その半導体レーザーのノイズフロアのレベルがこれまで使用してきた自由空間射出型のTo-CANレーザーのものと比べて高いため,1Gbpsを超える高速光信号に対する受信信号のSN比が劣化してしまい,基準のビット誤り率である10^-3以下を達成することが困難となってしまった.その対策として,出射光のSN比向上を目指し,戻り光対策,空間フィルタの導入,開口数の大きいコリメートレンズの適用を検討中である.そのため,当初予定していたギガビット級光信号による検証ができなかったことが原因としてあげられる.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,本年度に生じた受信信号のSN比の劣化の対策を行い,1Gbpsを超える高速光信号での可視光レーザーアレイによるビーム指向性制御の有効性を実験的に検証し,学会発表等の成果報告を実施する予定である.新規に導入したレーザーにより水中での直接の光出射が可能になり,より精密なビームステアリングが可能となった.受信信号のSN比劣化に対しては,伝送速度を少し低くすることである程度改善が可能なので,その条件でまずはシングルビーム伝送時と比べて可視光レーザーアレイのビーム指向性制御の有用性が高いことを実験的に確認する.並行して,受信SN比の改善対策として,さらに戻り光対策,空間フィルタの導入,開口数の大きいコリメートレンズの適用も引き続き検証して適宜導入し,高速伝送時での可視光レーザーアレイによる指向性制御の有効性も検証していく.
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