研究課題/領域番号 |
20K04938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
澤村 淳司 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90359670)
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研究分担者 |
尾関 俊浩 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20301947)
木岡 信治 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 総括主任研究員 (20414154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 氷海船舶 / 氷荷重 / 波浪影響 / 海氷微視構造 / 波浪 / 模擬氷 / 氷微視構造 / 氷海実験 / 模型船実験 |
研究開始時の研究の概要 |
北極海での海洋開発および物資輸送による船舶の航行の急増に伴い,氷環境下にある船舶の安全性評価の強化が急務になっている.氷海船舶の安全航行には船舶と氷板との衝突によって引き起こされる氷荷重の推定が必須となる.近年の海氷水面の減退に伴う波浪増加が海氷運動の増加を引き起こし,これが船体に作用する氷荷重を増幅させていると言われており,波浪と氷板の相互影響下にある氷海船舶の氷荷重推定が新たな問題となっている.そこで,本研究では.模擬氷を用いた模型船実験を実施し,波浪-氷板-船体間の氷荷重の発生原因の詳細を実験的に解明する.
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研究成果の概要 |
本研究は,海氷域での船舶の安全航行において近年問題となっている波浪域での氷荷重推定の発生原因を実験的に解明することであり,この課題に対して以下の成果を得た.1)模擬氷を用いた波浪-氷片―構造物の氷片運動計測実験を実施し,構造物の存在が波浪中にある氷板の運動に与える影響を明らかにした.2)塩分氷を用いた氷板の曲げ破壊強度計測実験を実施し,氷微視構造と曲げ強度の関係を明らかにした.また,氷板の曲げ破壊が模擬できる模擬氷を開発した.3)模擬氷を用いた波浪中での氷板の運動・変形の計測実験と波浪中での船体氷荷重計測実験から,波浪中の氷荷重の発生原因の一因を導いた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
波浪と海氷の相互影響に関する研究は古くからあったが,構造物と波浪および海氷の相互影響を考えた研究は殆どなく,波浪―海氷―船体の相互影響の解明を試みる本研究課題は学術的意義がある.また,海氷域で稼働する構造物と海氷との間に発生する様々な現象の解明や評価には,氷海水槽を用いた実験が欠かせない.しかし,世界にある氷海水槽の数は僅かで(20施設ほど),氷海水槽の利用には大きな制限がある.本研究課題の氷海水槽を必要としない模擬氷を用いた波浪中の氷海実験の確立は学術的および社会的意義が大きい.さらに,本研究課題の成果は氷海域での船舶の安全航行の実現に大きく貢献でき,さらには,氷海域の環境保全の一助となる.
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