研究課題/領域番号 |
20K04947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
鈴木 良介 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 主任研究員 (20711328)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 船舶海洋工学 / 船舶操縦性能 / 操縦運動計算 / 波浪中操縦性能 / 波浪中抵抗増加 / 定常波力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、船体斜航時の定常波力(操縦運動による出会角等の変化に伴い、ゆっくりと変化する波力成分を示す)の変化ならびにそれが操縦運動推定に与える影響を定量的に明らかにしたうえで、既存の手法を基に斜航時の定常波力を適切に評価し得る計算法を提案し、低速航行時の実船を対象とした波浪中操縦運動推定法を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、最初に、水槽試験によって直進時と比較した斜航状態における定常波力(前後・左右・回頭の3成分)の変化を定量的に評価した。次に、既存の平水中操縦運動推定モデルに、波浪外力として定常波力の実験値を考慮した計算法を基に、定常波力に対する船体斜航影響の考慮の有無が波浪中操縦性能推定へ与える影響を評価した。最後に、既存の推定法を拡張することで、船体の斜航影響をより適切に考慮し得る短波長波中の定常波力の実用的計算法を新たに構築した。定常波力の計測値ならびに自由航走模型試験による操縦運動の計測値との比較から、構築した計算法は、波浪中の船の操縦運動を評価するのに有望であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの定常波力に関する研究は、実験的にも理論的にも船体が直進状態であることを仮定したものが殆どであった。そのため、本研究で示した斜航状態における定常波力の実験値の希少性は高く、またこれは本研究で構築した計算法のためだけでなく、これからは開発される斜航状態を対象とした様々な定常波力推定法の検証に役立つことから、学術的に大変意義がある。本研究で構築した定常波力の推定法についても、既存の手法をベースとしながらも、その推定精度が向上したことで、波浪中において船が備えるべき操縦性能をより妥当に評価することが可能になった。従って、本成果は、船舶の航行安全性に大きく貢献するものである。
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