研究課題/領域番号 |
20K04953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
益田 晶子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 系長 (10322679)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ブラックカーボン / 舶用燃料 / 舶用機関 / 排ガス分析 / 凝集体 / フラクタル次元 / 光吸収 / 光吸収特性 / 構造 / 結合様式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、燃料源が多様化することも踏まえ、系統的に飽和炭化水素分/不飽和炭化水素分の比率を変えた試験燃料を用い、噴霧径と密接に関連する燃料の動粘度、密度といった物性をおさえたうえで燃焼試験を行い、ブラックカーボン(BC)の排出量、粒径、構造との関係を明らかにする。また燃料油や潤滑油由来の有機炭化水素やサルフェートによってBCが被覆されると、光吸収が増大することが知られている。そこで試験燃料に潤滑油や含硫黄炭化水素を添加して燃焼させ、BC粒子被覆のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
ブラックカーボン(BC)の排出量は、一般に燃料油中のアロマ成分量に依存すると言われている。飽和成分が7割をしめる超低硫黄留出油(LSA)と、アロマ成分が5割をしめる高硫黄残渣油(HFO)、飽和分が6割程度の低硫黄残渣油(LSC)を用いて、ブラックカーボンの排出量を調査したところ、エンジン負荷率が高い場合は燃料油による差はほとんどなかった一方、低負荷率の時には、LSC>HFO>LSAの順でBC排出量が多かった。したがって、BC排出量はアロマ成分の含有量のみに依存するわけではないことが明らかになり、H/C比の分析等から、より高次に結合した芳香族成分がBC排出量の増大につながっていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
舶用エンジンから排出されるブラックカーボン(BC)は、北極海域では雪氷を溶かし温暖化を促進するとして規制が検討されている。燃料組成やエンジン負荷率がブラックカーボンの排出量に与える影響を明らかにするため、留出油と残渣油を用いて、燃料油中のアロマ分、パラフィン分を分析するとともにBCの排出量を調査した。BCの排出量は燃料油性状だけでなくエンジンの運転状態にも大きく依存し、燃料油性状の影響が大きく現れる条件では、アロマ成分量ではなく、不飽和度の高さや構成成分の分子量の大きさに依存することが明らかとなった。この結果は燃料のアロマ分やH/C比で舶用燃料を規制しようとする動きに一石を投じるものである。
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