研究課題/領域番号 |
20K04954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 康雄 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (00550021)
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研究分担者 |
谷口 智之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (20782460)
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研究期間 (年度) |
2022-11-15 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 船型 / 伴流 / 圧力分布 / 機械学習 / データベース / 推進性能 / 船尾振動 / 船型表現 / 数値流体力学 / 船型データベース / 船型学 / 曲面 / 流場 |
研究開始時の研究の概要 |
船体の形状が誘起する船尾プロペラ周りの流れ場は船舶の省エネ、船体振動および水中騒音に多大な影響がある。しかし、大規模な三次元剥離を伴う船尾流場は非常に複雑で理論的に取り扱うことが非常に困難であるため、船尾流場の設計は現在も熟練者の試行錯誤により実施されている。本研究では船型・流場データベースの構築と機械学習によるデータ分析よりこの課題を解決すること取り組む。具体的には、船体曲面を画像データとして表現する従来よりも格段に自由度の高い曲面表現手法を提案し、これを元にした船型・流場データベースを機械学習で解析することで船尾伴流の特性を明らかにし、船型学の新知見の創出を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は船型・流場データベースの構築とこのデータベースの分析手法を提案し、三次元剥離を伴う複雑な船尾伴流場の流場特性を体系化することを目的としている。 これまで本研究では、 1. 船型自動生成のための新しい船型パラメータ表現(船型座標系:Hull-form Coordinate System)の開発、2.バルクキャリア・コンテナ船・PCCなど幅広い船種を含む広範な船型・流場データベースの構築、3. 船体の複雑な3次元形状を機械学習の1つであるConvolutional Neural Network (CNN)でモデル化するための新しい船型表現手法(IHR: Imaged-based Hull Form Representation)の開発、4. 船尾伴流場をCFDの数万倍以上の高速で推定する機械学習による代理モデル(サロゲートモデル)の開発を行った。その後、本研究実施期間中にノルウェー科学技術大学において本研究とも関連のある船型設計に関する研究開発に取り組む機会を得たため研究を1年間中断した。 帰国後の本年度9月からは、留学で得られた物理モデルと機械学習モデルのハイブリッドモデルに関する知見を活かし、機械学習によるCFD代理モデルの推論対象に船体表面圧力と抵抗値を追加して機械学習モデルの拡張を行なった。また、公開船型であるKVLCC2および数式船型をデータベース追加するとともに、過去に水槽試験で取得した船体表面圧力分布の時系列の統計解析と不確かさ解析を行なった。 なお、2023年6月には本研究の成果の一部である国際雑誌論文”A curved surface representation method for convolutional neural network of wake field prediction"が日本船舶海洋工学会賞(論文賞)を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ノルウェー科学技術大学での留学で得られた物理モデルと機械学習モデルのハイブリッドモデルに関する知見を活かし、船尾流場現象の解析にこのハイブリッドモデルを活用する新たな着想を得たため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は引き続き開発した機械学習モデルの改良をハイブリッドモデルの考え方に基づき実施することとする。
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