研究課題/領域番号 |
20K04956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
小林 充 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, グループ長 (10373416)
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研究分担者 |
佐藤 圭二 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (90734244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 自動運航船 / 航海支援 / 物体検知 / 画像処理 / 見張り / 物体検出 / 航海計器 / 自律運航船 / 障害物検出 / 深層学習 / 自動運転 |
研究開始時の研究の概要 |
船舶に設置したカメラで海面上にある不定形の障害物を検出し、その位置を特定することが目的です。 船舶の運航は他船だけでなく流木など浮遊物との接触を避けて安全運航することが重要です。無人船では、レーダーやAIS(電波で自分の位置を伝え合う装置)でまわりの船を見つけたり、人工知能に船の形を覚えさせてカメラで検出することが考えられますが、ボートや筏、流木のような決まった形のない漂流物はこれらの手段では検出が困難です。カメラに映ったもの全てを障害物としていたら、白波も障害物になってしまいます。 白波はすぐ消えますが、障害物はずっと見え続けるなど特徴の違いを利用して、画像から障害物を検出することを目指します。
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研究実績の概要 |
<今年度の研究成果>昨年度構築した海上浮遊障害物を検出・トラッキングする手法についてアルゴリズムを改善して安定的に検出できることを確認した。査読論文を執筆し日本航海学会論文誌に掲載した。 この手法では半水没した障害物などの輪郭のぼやけた障害物画像などで検出できないという実用上の課題がある。これを改善することを目的に、深層学習の手法であるYOLOとLSTMを組み合わせてカメラ撮影動画から海上を徐々に移動する障害物を検出するネットワークモデルを数種類考案して学習させ、検出を試みたが、いずれに対しても検出結果が思わしくなく、これについては本研究課題での実現は断念した。 <研究期間全体の成果>海上ではレーダーやAISで捉えることのできない浮遊障害物があり、乗組員は目視でこれを発見しているが自動運航船では目視に代わる検出機能が必要である。カメラ画像を船影形状を学習させた深層学習検出器で検出させることが行われているが多様な形状をもつ浮遊物に対応することができない。そのため、形状学習を用いない他船検出のアルゴリズムを構築することを目的に研究を開始した。 海上浮遊障害物は①何らかの形状をもっており②局所的に存在し③連続的に存在し④ほとんど移動しない、という特徴があるためこれに対応した特徴点検出アルゴリズム、特徴点マッチングアルゴリズム、座標差の大きいマッチングリンクの削除、クラスタリング、トラッキングアルゴリズムの組み合わせで障害物を検出する手法を構築し実装した。画像サイズ50pixel程度のラジコンボートや切り株を安定的に検出できた。これは、ソデイカ漁の漁具に付随する旗竿(60×60cm、黒色)を約150m 先(画角30°かつ8192pixels の画像を処理した場合)で発見できる程度の能力であると考えられる。
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