研究課題/領域番号 |
20K04959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
猿渡 康文 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (00292524)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 空間分割モデル / 数理モデル / ゲーム理論 / 数理最適化 / 空域分割 / 選挙区割り / 医療圏 / 空間分割 / 相互作用 / 協力ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
医療圏や選挙区の設定など,多次元な広がりを有する空間をいくつかの部分空間へ分割する境界を求めたいという社会的な要請がある.そこでは,空間全体での社会的厚生が最大化する境界であることが期待され,それは境界を定めた結果として得られる部分空間そのものの効用(部分空間内の効用)とともに定義されることが多い.本研究では,トレードオフの関係を有する相互作用を伴った空間分割問題を数理モデルとしてモデル化し,境界を効率よく求める解法の提案と結果の可視化を実現する.
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研究実績の概要 |
本研究では,多次元な広がりを有する空間をいくつかの部分空間へ分割するとき,空間全体の社会的厚生を最大化する部分空間間に存在する境界の特徴を数理的に明らかにするとともに,境界を効率的に導出する方法を提案することを目的としている.このことを実現するために,本研究では,【課題1】部分空間の間に存在する相互作用をゲーム理論の枠組みに基づいて分析を行い(相互作用モデルの構築ならびに分析),【課題2】課題1で導出する相互作用モデルをもとに,部分空間内ならびに部分空間間で定義される効用を最大化する空間分割の数理最適化モデルの導出と効率の良い解法の構築を行い,さらに,【課題3】提案する解法を現実社会に内在する空間分割の事例に対して適用し評価を行う.そこでは,大規模事例への適用と空間分割結果の可視化を実現する. 本年度は,【課題3】に取り組んだ. 境界の移動は離散的との仮定のもとで,部分空間内および部分空間間で定義される効用の境界の移動に伴う変化を数理モデル化した.この仮定は,【課題3】で取り上げた,空域分割や選挙区割りの事例を視野に入れたものである.境界の移動は離散的なものと仮定した. 本年度では,日本の空域分割を取り上げ,空域全体の社会的厚生を最大化する空間分割を求める最適化問題を集合分割問題として定式化した.そこでは,部分空域を順次生成しながら最適解を導く列生成モデルの援用が大規模最適化問題に対して有効であるという先行研究の結果を利用した.また,Pythonによる実装を行った.その結果,小規模な空域に対して,効率良く空域分割を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度実施を想定していた【課題3】を実現することができた.しかしながら,大規模問題に対する解法上の工夫が不可欠であり,この点の解決が残されている.加えて,可視化についても技術的な課題の解決が残されている.よって,本研究はやや遅れていると判断できる.
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今後の研究の推進方策 |
【課題3】で残された課題を解決するとともに,選挙区割りへの適用を検討し,本研究課題の総括を行う. 技術的な課題については,専門知識を有する研究者との議論が必要であり,その準備を進めている.
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