研究課題/領域番号 |
20K04960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中川 秀敏 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (30361760)
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研究分担者 |
高田 英行 東邦大学, 理学部, 准教授 (00637423)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 信用リスク / リスク伝播モデル / 情報アプローチ / カウンターパーティーリスク / 機械学習 / 伝播メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
次の3つの課題に取り組む。 (1) 「情報アプローチ」に「信用リスクの伝播」の構造を付加することによるハザードレート・モデルの改良。応用としてクレジットインデックスオプションの新しい評価モデルを開発する。 (2) 理論モデルの「増大情報系」と整合的になる市場あるいはマクロ経済の変数群を、機械学習手法、特にニューラル・ネットワーク系手法の一つであるLSTMを応用して調査する。 (3) ニューラル・ネットワーク系手法の「ブラックボックス化」の問題に対処するために、説明変数の重要度算出法を考案し、その有効性を実証的に確認する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の主要なテーマの一つである「情報アプローチに信用リスクの伝播構造を付加したハザードレート・モデルの改良」に関して、研究代表者の中川と研究分担者の高田の共著英語論文 "A default contagion model for pricing defaultable bonds from an information based perspective" がQuantitative Finance誌に掲載(オープンアクセス公開)された。また、この論文の後継となるインデックス型のクレジット・デリバティブ評価や誤方向リスクを含むクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引の信用取引調整(CVA)評価への応用について、オンラインでの議論を何度か行い、研究を継続中である。 また、研究代表者の中川は、「証拠金付きのデリバティブ取引におけるカウンターパーティーリスク評価」の研究を行った大学院修士課程の木谷亮介氏の研究指導を経て、木谷氏に研究協力者として国内の研究集会で2件報告を行ってもらい、そのうえで木谷氏の修士論文を発展・昇華する形で、当初証拠金の既存の算出手法の妥当性検証に関する共同研究を実施し、英語の共著論文としてまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の一つの目標であった、研究代表者の中川と研究分担者の高田の共同研究の成果である英語論文が海外の有力学術誌に掲載されたこと、研究代表者の中川が研究協力者の木谷氏と共同執筆しているカウンターパーティーリスク評価の研究に関する英語論文が完成間近な状態になっていることなどから、ほぼ想定通りの進捗であると考えられる。 また、過去2年間と同じく新型コロナウイルス禍のために国際学会への参加はできなかったが、国内の研究集会には対面参加・発表を行い、参加者と直接議論できるようになってきたことも後半の研究進捗の加速につながったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在英語論文としてまとめている証拠金付きのデリバティブ取引のカウンターパーティーリスク評価の研究は8月に東京開催の応用数理の国際学会で発表予定であり、そこでの議論をふまえて国内または海外の学術誌の投稿を行う予定である。 また、継続して行っている「情報アプローチ」モデルの応用例として、誤方向リスクを含むクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引の信用取引調整(CVA)評価に注目し、評価モデルと手法の検討に着手している。この研究については年度後半の国内研究集会での発表を目指し、論文化のめどをつけたい。
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