研究課題/領域番号 |
20K04963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西脇 芳典 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (50632585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 科学捜査 / 繊維 / 染料 / 触媒 / X線分析 / 非破壊 / 異同識別 / マイクロビーム / 微量元素 / 単繊維 |
研究開始時の研究の概要 |
刑事犯罪解明には、単繊維の異同識別は極めて重要である。しかし、現在警察で実施されている鑑定手法では鑑別できない単繊維が多数存在する。単繊維には特徴的な多数の染料や触媒が使用されているが、異同識別に利用されていない。そこで、本研究では、放射光を用いた蛍光X線分析(XRF)とX線吸収微細構造分析(XAFS)を組み合わせ、単繊維に含有する微量元素成分・染料と触媒の化学構造に着目した社会安全に資する単繊維の新規非破壊異同識別法の開発を実施する。本研究の実施により、繊維鑑定の精度が大幅に改善し、社会安全にとって重大な刑事犯罪の検挙率向上に寄与する成果が期待できる。
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研究成果の概要 |
単繊維は、多くの刑事犯罪を解明するための重要な証拠試料である。従来法では異同識別できないケースが多く、単繊維の新しい鑑定方法が求められている。そこで本研究では、染料と触媒に由来する元素情報と化学構造に着目した単繊維の非破壊異同識別法の開発を行った。分析手法には、放射光を用いた蛍光X線分析(XRF)とX線吸収微細構造分析(XAFS)を組み合わせて用いた。その結果、染料と触媒に由来する元素情報と化学構造を指標とすると絹とポリエステルの単繊維を高精度に異同識別できることがわかった。本法は、社会の安全に資する単繊維の新規非破壊異同識別法として活用できる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単繊維に用いられる染料・触媒は種類が多く、本研究によって開発された手法は高い異同識別力を有する。本研究は科学捜査・放射光科学の観点から、極めて高い学術的価値を有する。本研究の独創的な点は、従来、外観・色・材質によって識別していた単繊維を使用される染料・触媒で行う点である。また、本法の技術は、近年重大な環境問題とされている海洋マイクロプラスチックへの応用が期待できる。
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