研究課題/領域番号 |
20K04967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
小池 英勝 札幌学院大学, 経済経営学部, 教授 (60405636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 組合せ最適化 / CPMP / コンテナプリマーシャリング問題 / プログラム最適化 / ロジスティックス / 並列処理 / 最適化 / ロジスティクス / 列挙アルゴリズム / 厳密解法 |
研究開始時の研究の概要 |
コンテナ流通混雑問題は,世界経済に影響を与えるできるだけ早く解決するべき重要な問題である。この混雑問題を解消するための一つの手段として,船積が始まる前に船積時間が最短になるようにコンテナの再配置が行われる。しかし,この再配置の最適な手順を求めるのは難しい。再配置の手順が最適でなかったり,手順の発見に時間がかかれば,混雑解消はできなくなる。本研究の目的は,コンテナの最適な再配置の手順を計算機で高速に発見することで,混雑を解消することである。最適性や完全性(解を全て列挙できること)を両立する独自のアプローチでこの問題の計算方法を開発し,その有効性を実験システムを開発して実証する。
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研究実績の概要 |
コンテナの流通混雑は,世界経済に深刻な影響を及ぼす重要な問題である.その解決に向けた取り組みの一つとして,コンテナプリマーシャリング問題(CPMP)の解決がある.CPMPの最適解を高速に求めることができれば,コンテナ輸送の時間を効果的に短縮できると期待される.そして,複数の最適解を列挙することでより包括的な最適化が可能となり流通効率の向上に寄与すると考えられる. 当該年度は,特定の問題の解の探索パスに最適解が存在しないことを証明する手法を改良し,それを既存のシステムに実装した.これによって,特定の問題に対して無駄な探索を大幅に削減して計算時間を短縮できた.また,既存のプログラムコードのリファクタリングを行い保守性を高めながら計算効率を改善した.それに加えて,任意のタイミングで計算途中の状態をより詳細に視覚化できるようにして開発を効率化した. これらの結果,本研究の目標の一つである,過去の論文で公開されている大規模な問題群の最適解を得るという取り組みに関して,現時点で対象としている問題の約90%に対して最適解を得ることができた. 今後は,これまでの研究成果公開の準備を行う.それと同時に残りの約10%の問題に対して最適解を得るための試みを継続する.次年度は,基本的にこれまでの取り組みを引き続き行うが,以下の項目(1),(2),(3)を重点的に進めたい. (1) 得られた最適解を分析して高速に解を得るために役立つ法則の発見を試みる.最適解は人間の直感とは異なる手順が含まれることがある.これらを詳しく分析して高速化に役立つ法則を発見しそこからアルゴリズムを作成して実装することを試みる.(2) 約10%の未解決の問題を分析して,これらの問題が既存の方法で最適解を得ることができないメカニズムの解明を試みる.(3) 実装した機能を整理して,全体の最適化を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までの新型コロナウイルスの感染拡大や世界的な半導体不足の影響による進捗の遅れが当該年度にも影響した.それに加えて,開発システムで利用しているオープンソースのプログラムライブラリと本研究で開発しているプログラムとの相性問題の解決に予想外の時間がかかった.結果として,本研究の目標の一つである過去の論文で公開されている大規模な問題群の最適解を得るという取り組みに関して,現時点で約90%の達成度にとどまった.目標は全ての問題に対して最適解を得ることだったので,やや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
上述の理由により研究が遅れたため当該研究を1年延長することにした. 今後は,これまでの研究成果公開の準備を行うのと同時に,本研究の進捗の指標である大規模な問題例における約10%の未解決の問題に対して最適解を得るための試みを行う.本研究では,マルチセットを用いた探索空間の削減,コンテキストベースの探索空間の削減,そして,並列処理を合わせた計算の効率化が目標実現のための主要技術となっている. マルチセットを用いた探索空間の削減に関して,本研究ではこの手法が計算効率の改善に大きく貢献している.しかし,現状ではその実装方法に改善の余地があるので,これに取り組む.コンテキストベースの探索空間の削減に関しては,問題に依存した効果を考慮して処理を切り替えることで,さらなる効率化を目指す.並列処理に関しては,これによる計算効率の向上をさらに追及する.これらのことを実現するために特に以下の(1),(2),(3)の項目に注力する. (1) これまでに得られた最適解を分析することで,高速に解を得るために役立つ法則を発見してそこからアルゴリズムを作成して実装することを試みる.(2) 約10%の未解決の問題を分析して,これらの問題が既存の方法で最適解を得ることができないメカニズムの解明を試みる.(3) 実装した機能を整理して,全体の最適化を行う.現状の実験プログラムは,本研究で独自に開発した手法に加えいくつかの既存の手法を実装している.しかし,一見異なる処理であっても本質的に同じであり,より効率的な実装方法が存在する可能性がある.また,現在使用している計算機の性能の限界から理論的には効率的な手法でも,それが現実の実行環境で効率化に寄与しない可能性がある.これらを理解し整理することで現状に即した最適化を行いながらできるだけ未解決の問題の最適解の発見数を増やしたい.
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