研究課題/領域番号 |
20K04971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
細田 高道 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (50570123)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 循環型サプライチェーン / リサイクル / ブルウィップ効果 / サプライチェーン / 持続的社会 / ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では使用済み製品の市場からの回収から再生までのプロセスをも考慮した、いわゆる循環型サプライチェーンにおける効率化手法について主に数理モデルを活用して考察した上で、持続的社会とコスト経済性を両立させる施策を提案する。既往の研究では需要と回収は非常に簡易なモデル(例えば白色雑音)を設定するが、本研究ではより現実に近い時系列モデルを導入することで、既往の研究が見逃してきた新たなパラドックスが循環型サプライチェーンには存在することを数理的に示し、パラドックスの発生メカニズムの解明、さらにはパラドックスの緩和施策を見出す。高い歩留り率とシステム全体の低コストが両立する施策を提案する予定。
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研究成果の概要 |
本研究は、使用済み製品を市場から回収・再生した上で再度販売する、いわゆる循環型のループを併せ持つサプライチェーン(循環型サプライチェーン)の特性について数理的アプローチにより検討した。研究において想定した製品は近年再生技術の進展と普及が進んでいるペットボトルである。主な研究成果は以下に示す2つのパラドックスの存在を証明したことにある:1)回収から再生するまでのリードタイムは長い方がサプライチェーン全体のコストは小さくなる、2)原材料から製品を製造するコストよりも使用済み製品から製品を再生するコストの方が低い場合であっても、再生量を増加させるとサプライチェーン全体のコストが上昇する場合がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の一方向の供給のみを対象としていたサプライチェーン分野の研究において、サプライチェーン内のリードタイムは短ければ短いほど全体のコストは下がると結論付けられていた。リードタイムが短ければ、計画する際にあまり遠い先まで予測しておく必要もなく、サプライチェーン全体をコントロールしやすいことがコストが小さくなる理由である。我々の研究成果は、このような従来型サプライチェーンでは常識であったことが、循環型サプライチェーンにおいては当てはまらないことを示唆している。また、再生コストが仮にかなり低いとしても、再生量をいたずらに増加させるとは、サプライチェーン全体のコスト上昇になる場合があることも示した。
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