研究課題/領域番号 |
20K04976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
佐藤 公俊 神奈川大学, 工学部, 准教授 (60609527)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 価格決定 / 収益管理 / 在庫管理 / 確率モデル / 消費者行動 / 不確実性 / アルゴリズム / プライシング / 公平性 / IoT |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,電子商取引における価格設定の公平性を評価するための手法を開発し,市場の透明性および消費者間の公平性の向上を実現することを目的とする.特に,ダイナミック・プライシングを対象とし,アルゴリズムによる意思決定の自動化に起因する企業間の共謀や不正アクセス等の問題に着目する.価格調整の自動化は企業収益の向上だけでなく,需要の平準化を推進するため資源の有効活用の点においても効果のある手法である.しかし,価格変動を適切に説明できなければ,市場の透明性や消費者の納得感の低下に繋がり,持続性は制限される.そこで,外部からアルゴリズムを適切に評価する手法を提案し,安心・安全な購買環境の実現をめざす.
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研究成果の概要 |
企業の持続的な発展および消費者の安全・安心な購買環境を実現するためには,価格決定メカニズムの理論的な理解を深めること,アルゴリズムの質を評価し,担保することが求められる.本研究では,(1)需要の学習を考慮した価格決定アルゴリズム,(2)自動予約アルゴリズムを考慮した価格決定モデル,(3)複数企業による共謀とその持続条件,の3つのテーマを対象に価格決定モデルを構築し,価格変動や社会的厚生について分析を行なった.各テーマにおいて内外要因を適切に価格決定モデルに組み込むことで企業と消費者がともに満足する購買環境の実現が達成可能であることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年問題となっている自動売買アルゴリズムによる高頻度の不正アクセスや競合市場におけるアルゴリズム同士の共謀といった市場環境における内外要因がアルゴリズムによって算出された価格に与える影響を明らかにし,社会に発信することで,価格変動に慣れていない消費者の理解が深まることが期待される.消費者の価格変動に対する公平感や納得感の向上が企業および消費者にとって有益であると考える.また,企業の利益だけでなく,消費者の視点を価格決定モデルに取り入れる点は学術的にも新しく,長期的に有用なアルゴリズムを開発するうえで意義があるといえる.
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