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堤防やのり面におけるAIを用いた防災用光ファイバ計測

研究課題

研究課題/領域番号 20K05023
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分25030:防災工学関連
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

佐藤 信也  室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00300963)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード防災センサ / 橋梁振動 / レーザ変位計 / ニューラルネットワーク / AI / FBG張力調整 / 歪みセンサ / 温度センサ / 光ファイバ / 光ファイバ計測 / 防災
研究開始時の研究の概要

台風や地震にでの土砂災害による人的被害を軽減するために、光ファイバを用いた新しいセンサシステムの開発を行う。防災用光ファイバセンサシステムは、光ファイバ自体をセンサとして使用しなおかつそれが低損失な信号伝送路を兼ねるため、システムをシンプルに構成できるという特徴を持つ。またガラスでできた光ファイバは金属ケーブルよりも遙かに軽量であるため、道路などが整備されていない場所に設置する際にも資材搬入等における労力が軽減され、容易に設置ができるという利点がある。

研究実績の概要

台風による土砂災害や堤防が決壊し多数の河川で氾濫が起こる等、日本は全国的に河川構造物や道路のり面及び斜面の変状に伴う多くの災害が発生している。また地震による大規模な土砂崩れによって多くの人命が奪われている。また、高速道路や鉄道のトンネル等の崩落事故も教訓に、土木・建築分野における構造物の管理の高度化による安心、安全な暮らしの実現が求められ、光ファイバセンサによる線的及び面的な歪み計測が着目されており、多くの技術開発がなされてきた。
これら防災用光ファイバセンサシステムは、光ファイバ自体をセンサとして使用しなおかつそれが低損失な信号伝送路を兼ねるため、システムをシンプルに構成できるという特徴を持つ。またガラスでできた光ファイバは金属ケーブルよりも遙かに軽量であるため、道路などが整備されていない場所に設置する際にも資材搬入等における労力が軽減され、容易に設置ができるという利点がある。
本年度は、本研究のメインテーマであるAI活用のための学習データをより多く収集する目的で、レーザ変位計を用いて橋梁のたわみを測定するシステムを作成し実験を行った。橋桁の上下動の測定を行うためには、橋の真下にレーザ変位計を設置する必要がある。しかし、橋が跨ぐ河川や道路等があるため下方からの測定は実際には困難である。そこで、測定したい橋桁に対してレーザ変位計を水平に設置して測定が出来るように、レーザが当たる散乱板の形状に工夫を行い垂直方向からの測定とほとんど変わらない精度と分解能でで測定が出来ることを確認し、データの収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、ニューラルネットワークを使用した防災用センサの応用技術の一つのアプローチとして、レーザ変位計による橋梁振動の測定の実験を行った。橋桁の上下動の測定を行うためには、橋の真下にレーザ変位計を設置する必要がある。しかし、橋が跨ぐ河川や道路等があるため下方からの測定は実際には困難である。そこで、測定したい橋桁に対してレーザ変位計を水平に設置して測定が出来るように、レーザが当たる散乱板の形状に工夫を行った。
実験室内で移動ステージに散乱板を取付け、橋梁の上下動に見立てた。測定結果の比較を行うため移動ステージに対して垂直方向、および水平方向にレーザ変位計を設置し、それぞれの出力をマルチチャンネルのデータロガーによって記録した。結果として垂直方向に設置したレーザ変位計と変わらない精度と分解能で水平方向からの測定が可能であることを確認した。
またレーザ変位計の設置角度のずれ、及び散乱板の設置角度のずれに対するトレランスについても確認を行い数度程度の角度ずれがあっても測定値に大きく影響しないこと、および影響するほどの角度ずれがあった場合でもソフトウェアでの補正が可能である事を確認した。

今後の研究の推進方策

これまでに開発された光ファイバセンサ技術は実用レベルにあるものの、高コストであることや施工性および拡張性が低いという問題があり、普及レベルに達していないのが現状である。このため新技術の普及にあたり、これらの課題を解決する必要があると考えられる。
本年度はニューラルネットワークの学習に必要なデータを収集し、FBGのみならず別の測定技術を用いた社会インフラの経年劣化の目安となる測定を行うための技術開発を行った。これまで必要が認められつつも予算がないために防災管理システムの設置が見送られていた場所にも導入され、我々が目指す安全な社会の実現への一助となることを願う。
本研究は低価格で普及可能な光ファイバセンサシステムの開発を目指している。研究の最終年度となる本年度はデータ解析の手法としてニューラルネットワークを利用し、センサの変位と光ファイバ中を伝搬する光の各種パラメータとの関係を学習し、多点計測システムへの発展を目指す。光ファイバとニューラルネットワークを組み合わせたシステムの有効性を確認するため、これまで研究を行ってきた。今後もさらなる応用を目指しいくつかのアプローチで実験を試みる。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] FBG張力調整装置の開発2023

    • 著者名/発表者名
      野口恒輝、佐藤信也
    • 学会等名
      2023年電子情報通信学会総合大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] レーザ変位計を用いた橋梁振動の変位測定に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      大高雅也、佐藤信也
    • 学会等名
      令和4年度電気・情報関係学会北海道支部連合大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 光ファイバ干渉計を用いた周波数と歪みの同時計測2022

    • 著者名/発表者名
      松下亮汰、佐藤信也
    • 学会等名
      第57回応用物理学会北海道支部学術講演会/第18回日本光学会北海道支部
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] FBGによる機械構造用炭素鋼の熱膨張計測2022

    • 著者名/発表者名
      笠原健太郎、佐藤信也
    • 学会等名
      第57回応用物理学会北海道支部学術講演会/第18回日本光学会北海道支部
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Study on Multipoint Strain Measurement of FBG Sensor System Using Neural Network2021

    • 著者名/発表者名
      Lili Yuan, Yao Zhao and Shinya Sato
    • 学会等名
      PIERS2021 (PhotonIcs and Electromagnetics Research Symposium also known as Progress In Electromagnetics Research Symposium)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ニューラルネットワークを用いた光ファイバ歪みセンサの解析2021

    • 著者名/発表者名
      岩本太平、佐藤信也
    • 学会等名
      第56回応用物理学会北海道支部学術講演会/第17回日本光学会北海道支部
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] FBGによるセンサシステムの安定性の向上に関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      中野亮、佐藤信也
    • 学会等名
      第56回応用物理学会北海道支部学術講演会/第17回日本光学会北海道支部
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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