研究課題/領域番号 |
20K05033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
山根 悠介 常葉大学, 教育学部, 准教授 (10467433)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 竜巻 / 予測 / ストームに相対的なヘリシティー / シビアローカルストーム / 日本 / バングラデシュ / 突風 / ストームに相対的なヘリシティ / 気象レーダー / ダウンバースト / インド亜大陸北東部 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,強い竜巻やダウンバーストを伴うスーパーセルの発生を予測する指標であるSRH(Strom Relative Helicity:ストームに相対なヘリシティ)による竜巻等の突風予測精度の向上を目的とする.SRHの算出に必要となるスーパーセルの移動速度について,米国でのスーパーセルの観測事例に基づいて開発された手法が米国以外の地域にも多用されていることを問題視し,アジア域の中でも竜巻等の突風が多発する日本とインド亜大陸北東部におけるスーパーセルの移動速度の実態を明らかにし,それに基づく既存の移動速度推定方法の検証及び改良を行い,もってSRHによる突風予測の精度向上を図る.
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研究実績の概要 |
日本における過去の竜巻事例に伴う気象レーダデータを入手し,それらを用いて竜巻をもたらした親雲のストームの移動速度の推定に関して,その方法の検討を行った。また,バングラデシュのBrahmanbari県で2013年3月22日に発生した竜巻について,当時の気象レーダーデータを入手し,このデータに基づいて竜巻をもたらした親雲ストームの移動速度を求めた。推定された移動速度に基づいて相対的なヘリシティーを算出した。レーダーデータを用いて実際に竜巻をもたらした親雲ストームの平均移動速度は東南東の方向におよそ毎秒13mであった。この移動速度と当日現地時刻6時のダッカの高層観測データを用いて算出したストームに相対的なヘリシティは103.1であった。また,米国で提案され広く利用されている推定方法(地上から高度6kmまでの平均風速を70%減じ,風向を30°右にずらした速度をストームの移動速度とする方法)によって計算された親雲ストームの移動速度は東南東に約5m/sであった。この値はレーダーデータを用いた移動速度よりも半分以上小さなものとなった。また,ストームに相対的なヘリシティーはレーダーデータを用いて求めた移動速度を用いた場合よりも約5%大きな値(108.9)となった。本研究では,偶然竜巻をもたらしたスーパーセルを捉えたレーダーデータが利用可能であった1例を対象とした結果であり,一般的なことは言えないが,バングラデシュにおける実際のストームの移動速度と米国での推定方法によって求めた移動速度には大きな違いがあり,結果としてストームに相対的なヘリシティーにも違いが生じたことから,さらに利用可能なレーダーデータを探索しストームの移動速度の実態を調べることで,バングラデシュに適したストームの移動速度の算出方法を構築し,もって竜巻突風等の予測精度の向上を図ることができる可能性が示唆された。
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