研究課題/領域番号 |
20K05058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
榎木 勝徳 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60622595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 第一原理計算 / ナノクラスター / 組織制御 / クラスターサイエンス / i-s 相互作用 / ハード磁石材料 |
研究開始時の研究の概要 |
結晶構造のみの情報から物性を予測する第一原理計算法の発展に伴い、既存のハード磁石を凌駕する特性を持った材料が多数潜在することが理論計算から明らかとなっている。しかし、これらの材料のほとんどはバルク材料として安定に合成することが困難、材料開発への障壁が存在する。 新材料の開発につなげるためには、構造を原子スケールで制御して物質を作成する次世代基盤技術の確立が急務である。本研究では、金属組織に現れる数原子層からなるナノクラスターに着目し、この形態を組成や温度で制御することでバルク材料を原子レベルで設計・開発することを目指す。
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研究成果の概要 |
第一原理計算に基づく組織シミュレーションによる磁石材料の探索に取り組んだ。局所原子位置緩和の問題を克服するため、規則構造の初期緩和と選別の手法を構築した。また、FeM(N,Vac)3副格子構造モデルを使用して、異なる置換型元素による相互作用の評価と組織計算を行った。その結果、Mnを添加した合金系が安定で高い磁気モーメントを持つことが示された。さらに合成実験では、Fe90Ti5N5およびFe90Mn5N5の粉末試料をボールミル法で合成したが、軸比の増大は確認されなかった。窒素挿入方法の見直しと測定法の改善の検討が今後の継続課題として残る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究からMnを添加した合金系が安定かつ高い磁気モーメントを持つ可能性が示された。この知見は、高性能な磁石材料の開発に寄与し、モーターや発電機のエネルギー変換効率や性能の向上につながる可能性がある。また、組織シミュレーション法を用いた材料設計や新しい合金の解析や評価は重要であり、正確な予測と効率的なスクリーニングにより、新たな材料開発を加速し、マテリアルズインフォマティクスの学習データ生成にも利用できる。
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