研究課題/領域番号 |
20K05061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福永 俊晴 京都大学, 複合原子力科学研究所, 名誉教授 (60142072)
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研究分担者 |
森 一広 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (40362412)
中村 秀仁 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (60443074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中性子散乱 / X線回折 / 原子構造 / イオン伝導 / 電池材料 / MEM解析 / RMC解析 / 熱分析 / BVS解析 / X線回折 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、充放電下で全固体蓄電池の中性子散乱(回折)実験を行い、電池性能を高めるための「伝導イオンが高速で移動できる固体構造及び固ー固界面構造」を明らかにすることである。第4世代中性子回折装置SPICAや世界トップクラスの装置を活用し、充放電中の固体構造(原子配列)と固ー固界面構造を原子レベルで可視化するとともに、伝導イオンの動きも直接観察する。同時に、歪んだ結晶や非晶質でも伝導イオンの流れを可視化できるBVSイメージング法や、進化させた界面BVSイメージング法を活用し、充放電中の固体内のイオン伝導経路や固ー固界面内イオン伝導経路も可視化し、伝導イオンの時空間流れを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、J-PARC/MLFの中性子回折装置群(SPICA, S-HPRD, NOVA)や準弾性散乱装置DNAを活用し、固体電解質の構造を知るとともにイオン伝導経路を明らかにする。特に、全固体電池の充放電中(オペランド実験)の正極、負極そして固体電解質の原子配列の可視化を目指すとともに、原子レベルの伝導イオン経路の解明とその伝導イオンの動きも直接観察する。その解析では、MEM法やRMC法を活用し、伝導イオンの流れを原子レベルで明らかにすることを目的としている。 まず、Ce0.95Ca0.05F2.95が高い電気伝導度を示すことから、Ce1-xCaxF3-xの電気伝導度の温度変化を調べた結果、Caドープ量がx = 0.1付近で最も高い電気伝導度をもつことがわかった。構造研究から、単相を維持できる固溶限界はx = 0.07付近であり、Ce0.9Ca0.1F2.9はタイソナイト型構造をもつ主相に加えて、蛍石型構造をベースとする副相が少量含まれていることが分かった。 次に、(BaF2)x(SnF2)1-x試料では、組成がx=0.54試料で最高のイオン伝導度が得られることが分かった。中性子回折を用いてリートベルト解析を行った結果、 (BaF2)0.43(SnF2)0.57の結晶構造の中に[-SnSnMMSnSn-]層(M=Ba/Sn)が存在していることを明らかとなった。さらに、フッ素の異方性温度因子の広がりから[-F1-F3-F1-]経路がフッ化物イオン伝導に寄与していることが分かった。 また、高耐還元性および高イオン伝導性を兼ね備えているCaF2-BaF2系フッ化物イオン伝導体では、中性子回折実験から、Ba量に関する構造変化を詳細に調べ、フッ化物イオンの拡散経路を調べた。その結果から、Fイオンは-F1-空孔-F1-のジグザグ経路を伝導することを明らかにした。
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