研究課題/領域番号 |
20K05067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
西谷 滋人 関西学院大学, 工学部, 教授 (50192688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 有限温度 / 調和振動子近似 / 非調和振動効果 / 粒界エネルギー / 点欠陥 / 表面エネルギー / アルミニウム / モンテカルロシミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,粒界の有限温度自由エネルギーを第一原理計算から求めることである.本研究では,粒界エネルギーの実験結果との定量的な比較が可能なように,アインシュタインモデルと平衡モンテカルロ(MC)シミュレーションを組み合わせ,エネルギー計算に信頼性の高い第一原理計算を利用して,精度の高い有限温度の格子欠陥の自由エネルギーの計算法を開発する. 自由エネルギーを格子欠陥で定量的に求める手法は確立されておらず,開発が成功すれば,粒界のみならず,転位や点欠陥などの格子欠陥全般に適用できるため,材料の機械的性質や機能的性質を計算から見積もる強力な手法として広く利用されることが期待できる.
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研究成果の概要 |
小傾角の粒界エネルギーは転位論を基礎とするRead-Shockleyモデルによって解釈できるとされてきた。しかし、Alの粒界エネルギーの計測結果はこのモデルを否定するものであった。本研究では、この実験と理論の齟齬を、新たに開発した自由エネルギーの有限温度計算法によって、第一原理計算を使って解決した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Al粒界エネルギーの実験結果を再現する計算法が確立した。これによって、あらゆる金属系の平衡温度での粒界エネルギー、有限温度での粒界での溶質原子の自由エネルギー、析出物の核生成の活性化エネルギーを高精度に求めることが可能となった。この計算法を使えば、ミクロ組織を制御する工業プロセスの操業設定を計算だけで高精度に予測できる。 さらにこの研究を通して、粒界に適用されていた転位モデルが誤っていること,転位エネルギーが転位芯に起因することが解明された。これは、材料制御の基礎となる転位論の再検討の足掛かりとなる。
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