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磁石材料Sm2Fe17N3の保磁力が低すぎる理由

研究課題

研究課題/領域番号 20K05071
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分26010:金属材料物性関連
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

山口 渡  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (30292775)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード保磁力 / 磁気異方性 / 結晶場 / コーティング / 結晶磁気異方性 / 異方性磁場 / 異方性磁界 / 粉末コーティング / 低酸素プロセス / Sm2Fe17N3
研究開始時の研究の概要

巨大な異方性磁界を有する磁石材料Sm2Fe17N3の保磁力が低い値に留まる理由を、材料固有の電子構造を考慮した独自の仮説の検証を通し解明する。またそれを通して、Sm2Fe17N3の保磁力を潜在力に見合う水準へ引き上げる方法論を見出す。
Sm2Fe17N3の表面では、結晶場の乱れからSm 4f電子が担う一軸異方性が損なわれていると仮定、これに対抗する異方性回復の措置が保磁力改善に実際に有効であるかを検証する。保磁力が大幅に改善すれば、仮説の正しさが検証されたと判断する。1年目は主に仮説の検証を行い、2年目以降は、主に表面改質相の組成や成膜プロセスの最適化を行う。

研究成果の概要

Sm2Fe17N3の粒子表面では一軸異方性が失われ磁化反転が容易になっていると仮定した。表面では結晶の連続性が断ち切られており、表面上に位置するSmサイトの結晶場は結晶内部と全く異なるのがその根拠である。この仮説に立ち、表面上の結晶場を修復し内部のそれに近づける物質「結晶場修復材料」を設計した。その効果を第一原理計算によって予測する一方、実際に酸化膜フリーのSm2Fe17N3粉末へその材料をコーティングして、保磁力への影響を検証した。その結果、40%を超える保磁力の増加を確認した。一方、残留磁化の低下がほとんどない事実は、被覆相が主相を侵食することなく電子論的に作用することを示唆している。

研究成果の学術的意義や社会的意義

Sm2Fe17N3はポストネオジム磁石候補として期待されてきたが、高い潜在力に比して保磁力が低いことが問題であった。本研究はその原因を解明し潜在力を引き出すことを目指し実施された。その結果、粉末表面を独自の方法で修飾することにより、残留磁化を損なうことなく保磁力を大幅に向上させることに成功した。内燃機関からモーターへの置き換えが進む輸送機器分野を中心に、次世代磁石を提供する成果として期待される。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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