研究課題/領域番号 |
20K05079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山室 佐益 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10402653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 共析分解 / 鉄 / スピネルフェライト / ナノコンポジット / 磁性 / 磁石 / 共析反応 / ナノ複合組織 / ナノ複合材料 / フェライト磁石 / 組成制御 / 組織制御 |
研究開始時の研究の概要 |
金属/セラミックス複合材料における組織制御をナノ領域に拡大し,ナノ組織化により初めて発現する磁気機能性について探る.具体的には,FeO構造を有する複酸化物を共析反応により相分解して,金属相(Fe基合金)と酸化物相(スピネルフェライト)からなる層状のナノ複合組織を形成する.そして,スピネル相中のFe2+イオンを異種金属イオンで置換することにより,組成・磁気特性の制御を試みる.磁石材料として有用なスピネルフェライトをFe基合金と複合化することにより,強磁力化が期待される.本研究により,現行の完全酸化物型フェライト磁石を刷新する新規な「金属/酸化物型フェライト磁石」の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
Co置換したFeO型酸化物の共析分解により、フェロ磁性合金(Fe-Co合金)とフェリ磁性酸化鉄(スピネルフェライト)からなるナノ複合磁性材料を作製し、ナノ領域での組成・組織制御ならびに磁気機能性について調査した。Co置換により、FeO相の形成および共析分解が高温側へ大きくシフトすることが判明した。そして、共析分解によりCoは磁性合金および磁性酸化鉄の両相へ分配され、Coフェライト単体の飽和磁化を超えるCoフェライト基ナノ複合体が形成された。その際、Coは磁性合金相側へ優先的に分配されることが分かった。また、CoとCuの共置換により、Co置換FeO相の共析分解が若干促進されることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Fe2+イオンの一部をCo2+イオンで置換したFeO相の共析分解という冶金学的手法により、結晶磁気異方性の大きなCoフェライトを主相とした磁性ナノコンポジットを形成可能なことを示した。そして、Co置換が共析分解後における形成相の組成・磁気特性に及ぼす影響について明らかにした。以上の結果は、磁性合金とスピネルフェライト相の組み合わせを自在に選択できる可能性を示している。スピネルフェライトは構成金属イオンを異種金属イオンで置換することにより磁気特性を多彩に制御できることから、各種スピネルフェライトとFe基合金からなるナノコンポジット作製の新たな手法を提示することができた。
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