研究課題/領域番号 |
20K05089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 雅弘 京都大学, 工学研究科, 助教 (60704757)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 酸化物ガラス / 粘度 / 動的物性 / 分子動力学計算 / SiO2 / 結合切断 / 混合アルカリ効果 / ガラス / 酸化物 / ケイ酸塩 / 化学反応 / 配置エントロピー / 粘性流動 / 網目骨格 / ガラス融液 / 活性化エネルギー / Qn分布 / 第一原理計算 / 古典分子動力学計算 / 酸化物融液 |
研究開始時の研究の概要 |
実用ガラスの製造プロセスにおいて、粘度は最も重要な物性パラメータの一つであり、溶融過程や各種成形には、それを行うための適切な粘度域が存在する。古くから実験データが報告されているものの、粘度の圧力依存性と温度依存性の起源となる原子レベルでの動的構造変化は明らかになっていない。本研究では、酸化物ガラスにおいて近年開発された反応分子動力学計算によって、ガラスの網目骨格で起こる結合切断・生成の反応と粘性流動との関係を明らかにし、融液粘性の温度依存性と圧力依存性の微視的な発現機構を解明する。得られた知見により、成分と組成によってそれらを制御できることを計算で予測し、実験により確かめる。
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研究成果の概要 |
実用で用いられるケイ酸塩ガラスにおける最重要物性の一つである粘度について、ガラスの網目骨格が切断される際の5配位Si中間体の安定性が、粘度の支配因子であることを自作の分子動力学計算を用いて明らかにした。5配位Si中間体とそれを補償するアルカリの距離が大きいほど大きな活性化エネルギーが必要であることを明らかにし、イオン半径が小さいNa系の方がK系よりも5配位Si中間体が安定であり、網目骨格の反応回数が多いことで粘度が低くなることを計算機実験で明らかにした。これを混合アルカリ系に適用することで、混合アルカリ系では5配位Si中間体近傍をNaが占めることで、粘度に非線形性が生まれることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
実用ガラスにおける最重要物性の一つである粘度を支配する因子を明らかにした。これは組成によって粘度を制御する基礎となり、広範な応用につながる。特に、粘度の混合アルカリ効果の起源の一部を明らかにできたのは、学術的意義が大きいと考える。
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