研究課題/領域番号 |
20K05092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
石橋 広記 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70285310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 結晶構造解析 / 放射光粉末回折 / 層状マンガン酸化物 / 酸素貯蔵材料 / 層状酸化物 / 精密結晶構造解析 / 酸素貯蔵機能 / 精密構造解析 / 粉末中性子回折 |
研究開始時の研究の概要 |
5配位を有する層状化合物である六方晶マンガン酸化物RMnO3およびその置換体R(Mn,Ti)O3+δは酸素貯蔵材料として期待されている。本研究では、これらの酸化物が示す酸素の吸収・放出の現象を結晶構造学的な様々なアプローチにより、そのメカニズムの解明を目指す。すなわち、放射光・中性子回折、全散乱法およびXAFSにより平均構造および局所構造を決定し、酸素吸収時の過剰酸素の位置や配位数の変化とR, Mnイオンのシフトの相関を明らかにする。その結果に基づき、酸素の吸収・放出の現象の起源を明らかにし、最終的にこれらの物質の酸素貯蔵材料としての可能性を探る。
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研究成果の概要 |
本研究では、酸素貯蔵機能をもつ層状マンガン酸化物RMnO3について、Mnの一部をTiで置換した層状酸化物の酸素吸収・放出特性と結晶構造との関係を調べた。その結果、HoMnO3のTi置換系において、作成時に過剰酸素を有する組成をもつこと、およびHoMnO3の酸素吸収相と類似の三方晶の結晶構造をもち、この相が可逆的な酸素の吸収・放出特性を示すことを明らかにした。SPring-8の高輝度放射光を用いた高分解能粉末回折データを用いた精密な結晶構造解析により、酸素吸収・放出過程においてHo原子位置が変位して(Mn/Ti)O面内の酸素占有率が柔軟に変化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、層状酸化物RMnO3のTi置換体も酸素吸収・放出の挙動を起こすことを新たに見いだした。さらに、高輝度放射光を用いた高分解能粉末回折により、その挙動の動的な変化を原子レベルで捉え、R原子の変位と(Mn/Ti)O面の酸素の占有を柔軟に変化させることが酸素吸収・放出に重要な役割を果たしていることがわかった。これらの新しい知見は、今後の新規な酸素貯蔵材料の開発への指針となることが期待される。
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