研究課題/領域番号 |
20K05116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
小田 将人 和歌山大学, システム工学部, 講師 (70452539)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ドラッグデリバリー / セラソーム / 電子状態計算 / 密度汎関数法 / ドラッグデリバリーシステム / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
ドラッグデリバリーシステム(DDS)実現の要はその薬剤キャリアの開発であるが、 新規薬剤キャ リアとして有望なセラソームは、表面がシロキサン結合で強固に補強されているため安定である反面、その強固な構造をタイミング良く開封する方法が未開発であるため、現状ではDDSへの応用が難しい。そして、効率的な開封方法の鍵となるセラソーム表面の電子状態に関する知見は、現在までほとんど明らかになっていない。本研究では、モデル化したセラソーム表面に対して大規模第一原理計算を行い、その電子状態の詳細を明らかにする。その知見をもとに、セラソームをタイミング良く開封する方法を提案し、DDSとして応用する道を開く。
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研究成果の概要 |
現象論モデルによる薬剤放出シミュレーションの結果をもとに、セラソーム表面モデルを拡張し、電子状態解析を行なった。これまでの研究では最も単純な6員環格子を基本としたハニカム構造を使用していたが、現実のセラソーム表面にはさまざまな格子構造が存在している。手始めとして5, 7員環を含むモデルやさらにそれらの一部に置換機を導入したモデル構築を行なった。電子状態密度を解析することで、ギャップ中の反結合性軌道は構造の多様性を反映して縮退が解けることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DDSの薬剤キャリアに対する研究は、先行しているリポソームを中心に幅広く進められている。しかし、セラソームに限らずDDSにおける薬剤キャリアの開封方法は、現在までに、pH調整する・局所的に温度を変化させる等が提案されているが、一長一短で完璧ではなく、さらなる研究が必要である。本研究のように表面のミクロな電子状態に注目してキャリアの開封方法を開発しようという意図のもとで行われた研究は多くない。本研究によって、膜表面の電子状態を量子力学的に扱う表面科学の手法をDDS研究のツールとして使用し、ある程度の結果をだせたことは今後のDDSの発展につながるものである。
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