研究課題/領域番号 |
20K05118
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
豊田 宏光 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50514238)
|
研究分担者 |
横川 善之 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 名誉教授 (20358310)
折田 久美 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40748597)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 骨セメント / 骨補填材料 / リン酸カルシウム / アルギン酸 / キトサン |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症性椎体骨折は骨粗鬆症に起因する骨折の中で最も頻度の高く、要介護の一因となり医療費増大の主たる要因となっている。保存治療を行っても骨癒合不全が約15%発生し予後不良例となっている。骨癒合不全部に骨補填材料を充填する椎体形成術は、侵襲の少ない手技で高齢者に適応とされ、予後不良例に適応することでのQOL 改善に有効とされている。本邦では現在、骨補填材料としてPMMA(polymethylmethacrylate)が使用されているが、PMMAには生体親和性がなく重合熱が生じる問題が存在する。本研究は、生体親和性、骨強度、骨誘導能の観点から理想的な骨補填材料の開発を目的とする。
|
研究成果の概要 |
アルギン酸含有量の異なる4種類のリン酸カルシウムセメント(calcium phosphate cement:以下CPC)(0, 0.5, 1.0, 2.0g)を作成し、硬化時間、圧縮強度、表面構造を検証した。 結果、アルギン酸を配合することで、硬化時間の短縮、圧縮強度の増加、多孔性の獲得を得ることができた。生体内では、アルギン酸2.0gを含有した群で対象群よりも早期に生体骨に置換することを確認した。また、アルギン酸2.0gを含有した硬化液群で対象群と比較して統計学的に有意に新生骨量が増加していた(P=0.015)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工骨補填材料であるリン酸カルシウムセメント(calcium phosphate cement:以下CPC)は骨伝導能や生体親和性がある生体材料である。しかし、硬化時間が長く、崩壊性があり、強度が弱い事が欠点である。この問題点を解消するために、CPC作成時に分解性高分子を配合することに着想した。 CPCにアルギン酸を配合することで、充填時の緻密体から生体内で多孔化が進み、細胞浸潤に有利な環境がもたらされ、生体骨へ置換、骨再生が促進した可能性を示すことができた。本材料は骨欠損部の補填だけではなく、骨再生や再建に寄与することができると考える。
|