研究課題/領域番号 |
20K05128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
伊藤 吾朗 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 特命研究員 (80158758)
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研究分担者 |
小林 純也 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (20735104)
倉本 繁 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10292773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 水素 / 可視化 / トリチウムオートラジオグラフィ / 純鉄 / 塑性変形 / 水素誘起欠陥 / 粒界 / 変形帯 / すべり帯 / 水素マイクロプリント / 2相ステンレス鋼 / 弾性反跳粒子検出法 / アルミニウム合金 / 水素化アルミニウム / 水素化チタン / 金属材料 / 弾性反跳粒子検出 |
研究開始時の研究の概要 |
高強度構造用金属材料使用の問題点となっている水素脆化の防止に向け、現在構造用に広く使用されている4つの金属材料(鉄鋼、アルミニウム基、マグネシウム基、チタン基)中の水素について、①金属中の水素が原子状であることを利用する水素マイクロプリント法、②水素の放射性同位元素であるトリチウムを利用するトリチウムオートラジオグラフィ法、③ヘリウムイオンによる水素の反跳を利用する透過弾性反跳粒子検出法の3つの手法を用いて、各手法の欠点を補いかつ長所を発揮させ、水素挙動の解明に関する研究を飛躍的に加速させようとする。
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研究成果の概要 |
複数の可視化法として、水素マイクロプリント(HMPT)法、トリチウムオートラジオグラフィ(TARG)法を利用して、金属材料の水素脆化に関わる 水素の挙動を捉えようとした。主に純鉄について、HMPTとTARGを併用することにより得られた本研究結果と、従来唱えられている水素脆化機構との整合性を検討した。その結果、水素チャージしながら変形すると、変形帯や粒界近傍において転位の切り合いなどにより、水素と塑性変形に起因する格子欠陥が形成され、この格子欠陥が脱水素後も安定に存在し、水素脆化を引き起こすという水素助長ひずみ誘起空孔説を支持するものとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素マイクロプリント(HMPT)法とトリチウムオートラジオグラフィ(TARG)法という2つの可視化手法を利用することにより、金属材料の水素脆化に関わる水素の挙動を捉え、水素助長ひずみ誘起空孔説を支持する結果が得られたことは、この学術分野において、長年の論争に終止符を打つという意義を持つと思われる。一方、社会的にも、水素脆化は高強度金属材料を使用する上で、克服しなければならない重要な課題であり、本研究成果はその課題克服の端緒となるという大きな意義を持つ。
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