研究課題/領域番号 |
20K05131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水野 正隆 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50324801)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Al-Mg-Si / 第一原理計算 / 溶質クラスタ / 空孔 / Siリッチクラスタ / モンテカルロ計算 / 析出強化 / Al-Mg-Zn / 7000系 / アルミニウム合金 / 格子欠陥 / 原子空孔 / 時効硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
時効硬化型Al合金ではAl空孔と溶質原子の相互作用が機械的特性に大きく影響する。本研究ではAl-Mg-Si, Al-Mg-Zn3元系合金における空孔-溶質原子クラスタについて第一原理計算と統計学的手法を用いた探索により安定構造を解明し、空孔-溶質原子クラスタの成長に伴う構造および組成の変化を明らかにする。また、添加元素が空孔-溶質原子クラスタの構造や安定性に及ぼす影響を明らかにすることにより、空孔-溶質原子クラスタを制御する材料設計指針を得る。
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研究成果の概要 |
時効硬化型Al合金では空孔と溶質原子の相互作用が機械的特性に大きく影響する。本研究課題では第一原理計算と統計的手法によりAl-Mg-Si合金における空孔-溶質原子クラスタの安定構造を明らかにした。析出強化相に遷移するのは最安定のクラスタではなく、準安定の層状空孔-空孔溶質原子クラスタであるため、室温放置による最安定空孔-溶質原子クラスタの形成が、室温放置で析出強化相の形成が抑制される「負の効果」の一因になっていると考えられる。Al-Mg-Zn合金では空孔が溶質原子クラスタの形態や安定性の影響が小さいことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Al-Mg-Si合金における空孔-溶質クラスタの形成については多くの研究が行われてきたが、詳細な構造や析出強化相への遷移過程は明らかではなかった。第一原理計算と統計的手法により、網羅的な原子の配置の検討を行い、空孔-溶質原子クラスタの安定構造を初めて明らかにした。最安定クラスタではなく準安定クラスタが析出強化相に遷移することも明らかにし、室温時効での最安定クラスタの形成が析出強化相形成を抑制するメカニズムを示した。これは、工業的にも問題になっている室温時効による「負の効果」の抑制方法の提案に寄与する研究成果である。
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