研究課題/領域番号 |
20K05143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
近藤 啓悦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (50391321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 応力腐食割れ / 低炭素オーステナイト系ステンレス鋼 / 炉内構造材 / 軽水炉炉内構造材料 / 長時間熱時効 / 長時間熱時効影響 |
研究開始時の研究の概要 |
原子力発電プラントの構造材として広く用いられている低炭素オーステナイト系ステンレス鋼は、供用中に材料が劣化し「応力腐食割れ」という材料損傷現象が誘発されることがあるが、その詳細メカニズムについては明らかとなっていない。今後再稼働が見込まれる原子力プラントの健全性を科学的知見に基づいて担保していくためには、この応力腐食割れ発生機構解明は重要な課題の一つと考えられる。本事業では、材料が稼働プラント中で288度の温度で長時間晒されること(長時間熱時効)によって誘発される材料微細組織、塑性変形特性及び腐食特性の変化を詳細に観察し、応力腐食割れ感受性を促進させる因子及びメカニズムの追及を図る。
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研究成果の概要 |
軽水炉炉内構造材料である低炭素オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316L鋼)に対する長時間熱時効処理が、粒界型応力腐食割れ発生感受性を増大する予備実験結果が得られた。そこで、この材料の詳細微細組織解析を実施することにより応力腐食割れ発生機構解明を目指した。その結果、長時間時効によって転位組織変化が引き起こされること、またその変化は応力負荷時の塑性変形挙動に影響を及ぼし、結晶粒界近傍への局所ひずみ増大の原因となることが示唆された。さらに、長時間熱時効材は応力腐食割れ試験において粒界内部腐食が顕著に増加していたことから、粒界局所ひずみ集中が粒界耐食性低下の一因となっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軽水炉炉内構造材料である低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の経年劣化・損傷機構について、長時間熱時効による材料変化が応力腐食割れ発生感受性を増加させる可能性を示唆した。
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