研究課題/領域番号 |
20K05147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾澤 伸樹 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任准教授 (60437366)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ウルトラファインバブル / 精密加工 / 化学機械研磨 / マルチフィジックス現象 / 反応分子動力学法 / 圧壊 / マルチフィジックス / 分子動力学法 / ナノバブル / 超精密加工 / 反応力場 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代半導体素子材料であるAlN及びSiC基板は高硬度かつ高化学安定性を有しており、従来の砥粒と酸化剤のみによる化学機械研磨(CMP)が有効でないため、高効率な研磨手法の開発が強く求められている。そこで、ナノバブルが誘起する酸化反応を活用したCMP技術が注目されている。本研究では、化学反応の取り扱いが可能な反応力場分子動力学計算手法に基づき、ナノバブルの圧壊における「化学反応」と「衝撃、流体、拡散」の連成現象を解明可能なマルチフィジックスシミュレータを開発する。そして、CMPの高効率化に最適なナノバブルのサイズ、密度、内包する活性ガス種、スラリーへの添加剤などナノバブルの生成条件を導出する。
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研究成果の概要 |
難加工材料の高効率な化学機械研磨に向けて、ウルトラファインバブル(UFB)が利用されている。溶媒中のUFBを衝撃波で圧壊させると、ナノスケールのジェット流が発生し、研磨しやすいように基板を酸化する。しかし、UFBは非常に安定であるため、弱い衝撃波で圧壊しやすくすることが望ましい。本研究では、化学反応を考慮可能な反応分子動力学法を用いて、内包ガス、UFBのサイズ、環境などがUFBの安定性に与える影響を検討した。O2分子を内包した方が気泡内外における気体の流入出が起こりやすく、圧壊しやすいことを示した。また、イオンを溶媒に導入することでUFBが容易に凝集することをシミュレーションにより示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パワー半導体素子材料の成長基板であるAlN及びGaN基板は高硬度と高い化学安定性を有する難加工材料であり、低欠陥且つ高効率に研磨する手法の開発が強く求められている。そこで、研磨スラリーにウルトラファインバブル(UFB)を導入した化学機械研磨(CMP)手法が注目されており、UFBの圧壊時に生じるジェット流が基板の酸化を促進すると考えられている。そこで、さらなるCMPの高効率化には、安定なUFBを圧壊させやすい条件を解明する必要がある。本研究は反応分子動力学法に基づきUFBのサイズや環境がUFBの安定性に与える影響を検討したものであり、さらなる難加工材料の加工速度と高品質化への貢献が期待できる。
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