研究課題/領域番号 |
20K05148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 充孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10547706)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 窒素鋼 / 相変態 / エネルギー散逸 / 機械特性 / 高強度-高延性鋼 / 複相組織 / ベイナイト変態 / 高強度鋼 / フェライト変態 / 相界面析出 / 高強度稿 |
研究開始時の研究の概要 |
CrおよびMnを含む低合金鋼に対し、浸窒処理により窒素を均一に固溶させ、その後の変態温度および変態時間の変化に伴う材料の硬さ、微細組織、サイズ、分布、相分率、析出物の同定およびそれらの定量について系統的に調査し、フェライト・ベイナイト変態に及ぼす侵入型原子および置換型原子の影響を明らかにする。また、フェライト変態時の相界面析出およびベイナイト変態を組み合わせることにより形態の異なる2つのフェライト組織を有する窒素を用いた新しい高強度‐高延性な鉄鋼材料の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
Fe-MnーCr-N合金のフェライト・ベイナイト変態に対し,形態・結晶学・成長速度および溶質分配の観点から調査し,正変態挙動に及ぼすMnおよびCrの影響および機械特性を調査した.変態温度が低下するに伴い生成するフェライトの組織はAF,WFおよびBFへと変化し, Mn添加量の増加に伴い遅延した. ベイナイト変態させたFe-0.3N材および1Mn材の機械特性は,残留γ体積率の増加により均一伸びおよび加工硬化量が増加し,TRIP効果の発現が確認された。また,Fe-0.3N材と1Mn材では強度-延性バランスは同程度であった。2Mn1Cr材では降伏応力が大きくなり破断強度が高くなったが伸びは低下した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,正変態におけるα/γ界面での元素分配を詳細に測定し,窒素鋼の正変態挙動をα/γ界面の平衡組成からのずれ、すなわち、エネルギー散逸という観点から評価した.Fe-0.3N材およびMn添加材いずれいおいても,変態時にエネルギー散逸生じており,それらを物理的作用および化学的作用にて定量的に説明することが可能であることを明らかにした.また,炭素鋼との比較では,MnとNおよびCとの間の引力的相互作用から説明でき,i-s相互作用とNおよびC自身の偏析エネルギーの観点から理解することが可能であることを明らかにし,従来の炭素鋼の知見を基にして窒素鋼の相変態も理解することが可能であることを示した.
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