研究課題/領域番号 |
20K05151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
吉田 道之 岐阜大学, 工学部, 助教 (70431989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 無機固体電解質 / 焼結 / 微構造制御 / イオン伝導 / フラッシュ焼結 |
研究開始時の研究の概要 |
安全性と高エネルギー密度を兼ね備える次世代エネルギー貯蔵デバイスとして酸化物系固体電解質を用いた全固体電池が注目されている。酸化物系固体電解質は「やきもの」と同じ原理で焼き固める必要があるが、高温・長時間の処理を要する従来の焼成法では揮発性の高い機能元素が系外へ放出され、高い伝導性を得るのが難しい。近年、注目を集めているフラッシュ焼結は、外部電場によってサンプルの自己発熱を制御することが可能であり、数秒から数分の極めて短い時間スケールで多様な微構造をテーラーメイドで形成することができる。本研究では、フラッシュ焼結が無機固体電解質の緻密化と微構造形成に及ぼす影響を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ペレット状のサンプルを電気炉で加熱しながら交流電場を印加し、サンプルの収縮を計測するフラッシュ焼結の装置を開発した。開発した装置を用いてLiイオン伝導性を示す酸化物系固体電解質 Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)(LAGP)のフラシュ焼結に成功した。フラッシュ焼結が生じる温度は、印加電場が強くなると低下し、300V/cmの電場を印加すると280℃という極めて低い電気炉温度でフラッシュ焼結が起こることを明らかにした。印加電場と電流の組み合わせがLAGPの焼結と微構造形成に及ぼす影響を検討し、比較的強い電場でフラッシュ焼結を行うと数十μmの気孔が形成されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
安全性と高エネルギー密度を兼ね備える次世代エネルギー貯蔵デバイスとして、酸化物系固体電解質を用いた全固体電池が注目されている。酸化物系固体電解質を電池に適用する際には「やきもの」と同じ原理で焼き固める必要があるが、高温・長時間の処理を要する従来の焼成法では優れた伝導特性を得るのが難しく、新たな焼成プロセスに対する期待が高まっている。本研究では、外部電場の印加により極めて短い時間スケールで焼結が完了するフラッシュ焼結を、代表的なリチウムイオン伝導酸化物であるLi1.5Al0.5Ge1.5(PO4)で再現することに成功し、酸化物系固体電解質の焼結プロセスの短時間化に新たな可能性を見出した。
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