研究課題/領域番号 |
20K05155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅田 純子 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (50345162)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | チタン / 積層造形体 |
研究開始時の研究の概要 |
選択的レーザ溶融法(SLM)により作製した高濃度酸素(α-Ti相安定化元素)含有チタン積層造形体において,固溶強化による顕著な強度向上と同時に高延性を有する新奇な力学挙動の解明を目的に,急速凝固・冷却過程で形成される特異な組織形態(acicular α/α’マルテンサイト相)と結晶配向性および酸素固溶分布に着目し,これらの組織構造因子と変形機構の関係を解き明かす.その結果に基づき,延性低下が著しいチタン積層造形体において,高強度と高延性の同時発現を可能とする新規な材料・プロセス設計原理の構築を目指す.
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研究成果の概要 |
負の材料因子とされたα相安定化元素である「酸素」に着目し,積層造形過程での酸素原子の振舞いに関して,微視的な構造解析を通じて微量の酸素が特異な結晶組織形成に寄与することを明らかにした.酸素供給源となるTiO2粒子の分解後に解離した酸素原子のα-Ti結晶粒内への固溶現象を確認すると共に,酸素固溶に伴い粗大柱状粒から微細針状マルテンサイト相へと変化する結果,酸素固溶強化と粒界強化による引張耐力の著しい向上を実証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チタン材料では,酸素成分の粒界偏析に起因した脆化現象が報告されており,特に規格上限値を超える高濃度では,伸び値が激減する.しかし,酸素は本当に負の因子であるのか?と問い,レアメタルの代替物質として酸素に着目した.積層造形時の溶融・超急冷凝固過程での酸素原子の振舞いを理解し,チタン材の延性低下を招く結晶粒界近傍での酸素濃化による化合物相の形成を抑制し,酸素元素をα-Ti内に均一固溶することで結晶粒径や集合組織を制御することで,高強度と高延性の同時発現が可能であることを明らかにした.その結果,チタン合金の高強度化に必須であるレアメタル使用撤廃の可能性を示したことは学術的な意義であると考える.
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