研究課題/領域番号 |
20K05160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
江村 聡 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 主幹研究員 (00354184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヘテロ構造 / 重ね合わせ圧延 / 変形機構 / 第2相析出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はTi-Mo系等のβ型チタン合金において、重ね合わせ圧延によって合金元素の不均一分布(偏析)によるヘテロ構造を人工的に創製し、機械的性質(強度-延性バランス等)の向上を図ることにある。特にMo量の極端に異なる合金同士を重ね合わせ圧延することで自然には生じない偏析構造を付与する、Alのような自然には偏析しない合金元素を不均一分散させる、等の手法を用いることで偏析による新たなヘテロ構造の造り込みを行うとともに、こうしたヘテロ構造付与による特性向上の発現機構の解明を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はβ型チタン合金において、重ね合わせ圧延によって合金元素の不均一分布(偏析)によるヘテロ構造を人工的に創製し、強度-靭性バランス等の機械的性質の向上を図ることにある。特にMo量が極端に異なるTi-Mo2元系ヘテロ構造や拡散が早く偏析構造の付与が難しいAl添加合金のヘテロ構造を造り込み、変形機構の混在や第2相の析出状態を局所的に大きく変化させることを試みる。 本年度は主に以下のような成果が得られた。 特性向上をもたらす新たな積層構造の組み合わせをより簡便に検討するための手法として重ね合わせ圧縮(R. Ueji, T. Inoue, Acceleration of diffusional transformation in a high-carbon steel layer composed of a sandwich-like clad steel sheet, Mater. Sci. Eng. A, 764 (2019), 138217)をチタン系合金に適用した。Mo量が極端に異なり変形機構が異なるTi-10MoおよびTi-18Moの積層構造、Al量が異なり第2相の析出量、析出形態やその特性が異なるTi-15MoおよびTi-15Mo-3Alの積層構造、さらに元素拡散しやすいO量が異なり変形機構や第2相析出に大きく影響するTi-7.5MoおよびTi-7.5Mo-0.5Oの積層構造を作成した。これらの組み合わせすべてで真空中での重ね合わせ圧縮により界面に欠陥等生じることなく積層材が作成可能であること、MoおよびAlについては圧縮ままで数μm、焼鈍処理後に数十μmの幅で濃度勾配が見られ、化学的にも十分に結合できていることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来昨年度が最終年度であり、積層構造の作成により特性がより向上できると考えられる組成の組み合わせによる大型積層材の作製、評価まで行う予定であったが間に合わなかった。本年度まで研究期間を延長していただいたことで残された課題に取り組みたい。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度作成した重ね合わせ圧延材、および今年度新たに作成する重ね合わせ圧延材の組織や機械的性質(主に引張特性)を評価し、その結果から特性がより向上できると考えられる組成の組み合わせを選定する。選定した組み合わせについて真空封入および鍛造・圧延による大型積層材の作製を行い、組織観察や機械的性質の測定を行い積層構造の有用性を検討する。
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