研究課題/領域番号 |
20K05166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田中 繁一 静岡大学, 工学部, 教授 (60197423)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | インクリメンタルフォーミング / 板成形 / 残留応力 / 板プレス成形 / CNC成形 / イクリメンタルフォーミング |
研究開始時の研究の概要 |
ダブルサイド・インクリメンタルフォーミングは,素板を挿んでその両側にマスター工具とスレーブ工具を配置する.従来のプロセスでは,スレーブ工具を素材に対して単純に対称配置したもので,スプリングバック抑制の効果は小さい. 本課題で提案する新プロセスでは,スレーブ工具を独立に位置制御して素材のパス方向と子午線方向の「曲げ・曲げ戻し」挙動を制御してスプリングバックを抑制する(近接モード).加えて,スレーブ工具により低剛性部位を支えて素材の「たわみ」や「だれ」変形を抑制を検討する(遠隔モード).
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研究成果の概要 |
インクリメンタルフォーミングで得られる成形品内には過大な残留応力が存在し,激しい負のスプリングバックが発生する.本研究では,スローイング法により推定した材料モデルと部分モデルを用いる数値シミュレーションにより,ゆがみをもたらす残留応力の生成メカニズムとダブルサイド・インクリメンタルフォーミングの2工具の相対配置が残留応力に及ぼす影響を考察した.系統的な考察の結果,以下のことを明らかにした.工具系のピッチ角の調整により工具パス方向の残留モーメントをほぼ0にできる.また,工具間ギャップを初期板厚程度にした場合に工具パス方向の残留モーメントを最小にできる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インクリメンタルフォーミングは,日本で提案された新しいCNC塑性加工技術で,基本方式では1つの工具を等高線パスに沿って動かして目的とする曲面形状をその包絡面として得る.本方式は高価な金型を用いないフレキシブル成形技術である.しかし,このプロセスで得られるほとんどの成形品には過大な残留応力が蓄積しており,クランプ解放やトリミング後に激しい負のスプリングバックが発生し,これが実用化に際しての最大の課題となっている.これに対して本研究の成果はダブルサイド・インクリメンタル成形を採用し,そのマスターおよびスレーブ工具の相対運動をどのように制御すればよい結果が得られるかの重要な基礎資料を提供する.
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