研究課題/領域番号 |
20K05173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
吉木 啓介 兵庫県立大学, 産学連携・研究推進機構, 非常勤研究員 (60432548)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / レーザー加工 / 深穴加工 / 高アスペクト比 / 対流 / 切りくず排出 / 噴流 / 超臨界流体 / 導波路 / 熱力学 / 流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
微細レーザー深穴加工において,穴内外の流体の流動を制御することによって,加工の阻害の低減や,逆に流動の積極利用によって加工能力の向上を達成する. まず,熱流体力学と光学に基づくレーザー加工の加工理論より,最適な加工雰囲気と光入射条件の設定を可能とする.次に,加工雰囲気の制御を二酸化炭素の圧力・温度を液体・気体・超臨界状態まで様々に変化させることにより達成し,加工中の流動を観察しながら実験実証を行う.さらに,本加工理論を現場適用するために,穴内の流動の様子が加工中にモニタリング出来る光学装置を開発し,加工をしながら加工条件の最適化する.結果,深穴加工能力を最適化することで超深穴加工を実現する.
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研究成果の概要 |
レーザーによる穴加工法への光ファイバー効果の適用と超臨界流体の挙動を調査した。実験では、間欠照射の条件により超臨界流体の挙動が影響を受けレーザー加工の効果に影響を及ぼすことがわかった。そこで、加工周波数を調整することで噴流の影響を抑制し、レーザー加工のパルス間隔を最適化する基本的なガイドラインを示した。その結果、レーザー加工の深穴加工が従来以上に可能となった。また、金属材料の加工における穴内対流の観察を通じて超臨界流体がレーザーの熱による対流を確認した。本手法により,深穴レーザー加工がの深さが増大し,レーザーのエネルギーをより効果的に材料へ伝えることでエネルギー効率と加工能力が大きく向上した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,超臨界二酸化炭素雰囲気中でのレーザー加工における噴流と対流の挙動とその影響を明らかにし,最適な加工条件を提案した.これは,従来の空気中でのレーザー加工に比べて高アスペクト比の深穴加工が可能な新しい技術を開発したことを意味する.超臨界二酸化炭素は高い流動特性により対流を生じ,切りくずの排出や集光の改善に有利である.また,二酸化炭素は有効利用や温室効果ガスの削減にも寄与する.この技術は,半導体や自動車などの分野で求められる高精度な深穴加工に応用できると期待される.本研究は,超臨界二酸化炭素雰囲気中でのレーザー加工に関する基礎的な知見を提供し,今後の応用展開に向けた重要な一歩となる.
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