研究課題/領域番号 |
20K05175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 岩手大学 (2022) 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2020-2021) |
研究代表者 |
戸部 裕史 岩手大学, 理工学部, 准教授 (40743886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Cu-Al-Mn合金 / 形状記憶合金 / 集合組織 / マルテンサイト変態 / 再結晶 / 時効析出 / 時効 / 組織制御 / 構造・機能材料 |
研究開始時の研究の概要 |
形状記憶合金アクチュエータの性能向上と用途拡大のため、新規の銅系合金に対して単結晶方位の制御手法を確立し、特性と形状をアクチュエータ用途に最適化した単結晶板材を創成する。これにより、従来の家電・自動車・航空宇宙などの分野に加え、新たに液化ガス貯蔵・冷凍機・超伝導などの極低温環境へも展開可能な、熱的に駆動する小型・軽量・高出力アクチュエータとしての実用化を前進させる。
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研究成果の概要 |
本研究では、Cu-Al-Mn形状記憶合金の板材に対して、形状記憶特性を示すβ相(bcc構造)の結晶方位制御手法を確立し、優れた特性を有する板材を安定して供給可能にすることを目的とした。ランダムな結晶方位をもつβ相からなる板材に対し、特定の熱処理条件で微細α相(fcc構造)を形成させた後に圧延加工を施すプロセスを繰り返すことで、最大回復ひずみの得られる<510>近傍の結晶方位に配向度の高い板材を開発した。本プロセスの後に、β単相化熱処理や単結晶化熱処理を実施した場合も、この優先方位への配向度を引き継ぐため、大きな回復ひずみを伴う優れた形状記憶特性を有する板材を高頻度に得ることが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱処理による単結晶化手法は、Cu-Al-Mn形状記憶合金に優れた形状記憶特性をもたらすが、これまでの手法では結晶方位にばらつきがあり、製造した単結晶板材の特性にばらつきが生じるという課題があった。本研究で開発した結晶方位制御手法は、既存の単結晶化手法と組み合わせることでこのばらつきを低減でき、安定した特性を有する板材を供給可能とする。このような形状記憶合金板材は、温度変化で変位や力の発生をもたらす熱的駆動アクチュエータとして利用でき、例えば宇宙機温度制御用ヒートスイッチ等の性能向上・品質改善に貢献できる。
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