研究課題/領域番号 |
20K05178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
伊高 健治 弘前大学, 地域戦略研究所, 教授 (40422399)
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研究分担者 |
角谷 正友 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主席研究員 (20293607)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シリコン / 熱炭素還元 / 太陽電池 / フラックス / ニッケル / 水素ラジカル / 熱力学計算 / 炭素熱還元 / 熱炭素還元プロセス / 高周波誘導加熱 |
研究開始時の研究の概要 |
シリコン製造時のエネルギーコストの低減と二酸化炭素の排出抑制を実現する革新的な還元プロセスを確立し、環境負荷が小さい低コストシリコン太陽電池の普及に寄与する。新たに発見したフラックス(融剤)を媒介した炭素熱還元法(特許出願済)を適用することにより、高収率な炭素熱還元プロセスの開発を行う。すでに少量の金属(ニッケル系フラックス)を添加した炭素熱還元反応において、同一反応条件でのシリコン含有量が10~80%程度向上することを見出しており、今後、最適化が必要である。フラックスと反応生成物の関係を詳しく調べることにより、素反応レベルでのフラックスの役割を解明する。
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研究成果の概要 |
太陽電池用シリコンは、SiO2から熱炭素還元反応で製造される。しかしながら、二酸化ケイ素の熱炭素還元は一酸化珪素や炭化ケイ素を介して、生成されることが知られており、複雑な副生成物の制御が重要である。相図を用いた試算から、シリコンにおける炭素の固溶限界は非常に小さく、一酸化ケイ素ガスの損失が大きくなっていることがわかった。ニッケルなどの金属やニッケルシリサイドNiSi2を入れることで炭素の固溶限界は大きく広がることが試算されており、2重量パーセントのニッケル金属やニッケルシリサイドは、ニッケルフラックスとして作用し、生成物中のシリコンが大きく増加することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、シリコンという共有結合性の強い材料系でみられる、中間状態の気相・固相を介した炭素熱還元反応プロセスにおいて、フラックスによる固溶限の増大と反応収率の関係性の解明である。気相を介する化学反応では密度が極度に低下するために、収率低下につながりやすいが、固溶限の増大によって、気相から固液相に出来るだけはやく化学変化させることが効率向上につながる。 また、社会的意義としては、近年の脱炭素社会・再生可能エネルギー社会の鍵を握っている太陽光発電について、その主要原材料であるシリコンの生産公立向上につながることである。
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